第48話 包囲網の気配
朝の
ギルドは、
ざわついて
いた。
依頼掲示板の
前に、
人が
集まって
いる。
だが、
騒がしい
理由は、
依頼の
数では
ない。
「……警備が
増えて
ないか?」
「昨日より
明らかに
多いぞ」
アレンは、
入口付近で
足を
止めた。
視線を
巡らせる。
鎧の
質。
立ち位置。
歩幅。
どれも、
普通の
冒険者とは
違う。
「……ギルド
直属の
警備隊」
低く
呟く。
マールが、
小走りで
近づいて
きた。
「アレンさん、
今日は
表に
出ないで
ください」
「理由は?」
「……包囲
されて
いる
可能性が
あります」
一瞬、
空気が
重く
なる。
「内側
から?」
「外側
からも」
ギルドが、
狙われて
いる。
シャールは、
執務室で
待って
いた。
「来たか」
机の
上には、
地図が
広げられて
いる。
ガルド王国
王都周辺。
赤い
印が、
点在して
いた。
「監視
確認地点だ」
「数が……
多いですね」
「増えて
いる」
昨日の
証言が、
即座に
動きを
生んだ。
「相手は
こちらの
反応を
見ている」
「焦らせて、
何かを
引き出す
つもり
でしょう」
アレンは、
地図を
見つめる。
包囲は、
完全では
ない。
だが、
逃げ道は
細い。
「……囮に
なる
気は
ありません」
シャールは
即答
した。
「当然だ」
「だが、
お前の
存在は
すでに
知られて
いる」
否定
できない。
「だからこそ、
動きは
制限する」
「一人で
出るな」
「最低
二人」
「理想は
三人だ」
アレンは
頷く。
中庭へ
出ると、
空気が
張り詰めて
いた。
冒険者たちも、
異変を
感じて
いる。
「……街が
静か
すぎる」
耳に
入る
声。
いつもの
露店の
呼び声が
ない。
子どもの
笑い声も
少ない。
「不気味
ですね」
隣に
立った
のは、
中位ランクの
剣士、
レオル。
「こういう
時は、
何かが
起きる」
「ええ」
アレンは、
自分の
内側に
意識を
向けた。
魔力を
静かに
循環させる。
強化。
微弱。
外見には
分からない
程度。
※身体強化
→ 筋力や
反応速度を
一時的に
高める
補助魔法。
「……感覚が
研ぎ
澄む」
遠くで、
視線を
感じた。
一瞬。
屋根の
影。
「……来てる」
レオルも
気づく。
「数は?」
「三、
いや……
四」
直接
襲って
こない。
距離を
保ち、
確認
している。
「目的は、
俺だな」
「間違い
ない」
ギルドに
戻る
判断は、
正しかった。
だが、
ずっと
籠もる
わけにも
いかない。
「……次に
動く
時が
勝負」
夕刻。
ギルド
全体に、
警戒
通達が
出された。
外出は
任意制限。
だが、
完全封鎖は
しない。
「相手に、
こちらの
焦りを
見せない」
シャールの
判断。
夜。
アレンは、
簡易宿舎の
部屋で、
椅子に
座って
いた。
灯りは
落とされ、
窓だけが
開いて
いる。
風が
カーテンを
揺らす。
「……静か
すぎる」
その
瞬間。
魔力が
揺れた。
ごく
微弱。
だが、
確かに
人為的。
「来た……!」
立ち上がり、
強化を
重ねる。
視界が
鮮明に
なる。
屋根の
上。
影が
一つ、
二つ。
包囲は、
完成に
近づいて
いる。
アレンは、
深く
息を
吸った。
恐怖は
ある。
だが、
退かない。
「……守る
側だ」
自分に
言い聞かせ、
窓へ
踏み出す。
夜の
王都で、
見えない
戦いが
始まろうと
していた。
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