第44話 正式審査




掲示板の

前は、

朝から

人だかりが

できていた。




「……中位

 正式審査?」




「ヒーラーで

 か?」




囁き声が

重なり、

ざわめきが

広がる。




アレンは、

その

中心を

静かに

通り抜けた。




視線は

多い。




好奇と、

疑念。




そして、

期待。




「……逃げ場は

 ないな」




心の

中で

そう

呟く。




ギルド

二階。




審査用

訓練場。




ここは、

実戦を

想定した

特殊区画だ。




※訓練場

→ 防御結界が

 張られ、

 実際の

 魔法や

 武器を

 使える

 施設。




シャールは、

既に

立っていた。




その

隣には、

見慣れない

男女。




「審査官だ」




アレンは、

一礼する。




「……アレン、

 十三歳」




「職種、

 ヒーラー」




形式的な

確認が

続く。




「審査内容は、

 三つ」




シャールが

告げる。




「一、

 継続戦闘

 耐性」




「二、

 状況判断」




「三、

 自己管理

 能力」




攻撃力は

含まれない。




だが、

楽では

ない。




「開始する」




結界が

閉じる。




最初に

現れたのは、

小型魔物。




数は

五。




素早い。




アレンは、

即座に

自分へ

強化を

施す。




回復は、

常時。




無理に

倒さない。




避け、

耐え、

時間を

使う。




「……いい

 判断だ」




審査官の

声が

聞こえた。




次は、

負傷者役の

人形。




複数。




同時に、

環境変化。




地面が

傾き、

視界が

歪む。




「……焦らせる

 演出ですね」




アレンは、

深呼吸し、

優先順位を

決める。




致命傷。




軽傷。




回復資源の

配分。




すべてが、

瞬時の

判断。




最後は、

想定外。




「……強化が

 使えない

 状況?」




一瞬、

魔力の

流れが

遮断される。




※魔力遮断

→ 結界により

 魔力操作を

 一時的に

 制限する

 特殊環境。




「……」




だが、

アレンは

崩れなかった。




完全な

遮断では

ない。




微弱な

流れを

拾う。




最低限の

回復。




自分の

身体を

守る。




時間を

稼ぐ。




結界が

解除された

瞬間、

一気に

立て直す。




審査終了。




沈黙。




やがて、

シャールが

口を

開いた。




「……合格だ」




一瞬、

空気が

止まる。




次いで、

ざわめき。




「正式に、

 中位ランク

 冒険者と

 認める」




アレンは、

深く

頭を

下げた。




胸の

奥に、

静かな

達成感が

広がる。




だが、

同時に

理解して

いた。




ここは

通過点だ。




責任は

重くなる。




見られる

立場に

なる。




マールが、

嬉しそうに

駆け寄る。




「おめでとう

 ございます!」




「……ありがとう

 ございます」




シャールは、

低く

告げた。




「これから

 忙しく

 なるぞ」




「例の

 件も

 含めてな」




アレンは、

真っ直ぐ

頷いた。




ヒーラーとして。




冒険者として。




逃げないと

決めた。




中位ランクの

名は、

肩書きでは

ない。




覚悟の

証だ。




アレンは、

新しい

証明書を

握りしめ、

訓練場を

後にした。




その

背中を、

多くの

視線が

追っていた。




物語は、

次の

段階へ

進む。

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