第三話 状況説明しないとね

「女の子になった?」

「うん」

「女装じゃなくて?」

「うん」

「生物学的に女の子になったの?」

「今は女の子、時々戻るみたいだけど」


 そう、どうやら俺の性別はルミナのその時の気分でコロコロ変わるらしい。

 ただ、寝てる間じゃないと少しムズいらしい。


「そんな魔方みたいな事あるのかしら」

「異能があるんだからあり得るだろ」

「それもそうね」

「そんなわけだから俺は部屋に戻るよ」

「ダメよ。しっかり姿をみんなに見せないと。」

「なんでだよ」

「異能、使えるようになったんでしょ。お姉ちゃんに仕返しするチャンスじゃない?」

「…!」


 あの煽り虫を黙らせられるようになったんだ。

 異能使って仕返ししてやる!




「アンタ誰」

「お前の可愛い可愛い弟だよ」

「いやいや、私にこんな可愛い娘はいない。いるのは無能力の弟だけよ」

「だからそれが俺だって言ってるんだよ」

「アイツはこんな低い身長じゃないし、声もこんな可愛くないわよ」

「どうやったら信じてくれるんだよ」


 全く信じないじゃないかこの姉は。

 そうだ、母さんからも言ってもらえばいいんだ。


「母さんからも言ってく……何テレビ見てんだよ」

「姉妹仲良くしなさいよー」

「姉妹じゃねーよ。俺の中身は男だって」

「外見は女の子なんだからいいじゃない」

「そういう問題じゃないだろ」


 一旦話を戻そう。どうやって信じてもらえばいいんだ。姉ちゃんは相変わらず怪しんでるしなぁ。

 ……姉ちゃんの黒歴史の一つでも言えば信じてくれるかもしれないな。


「姉ちゃん」

「アンタに姉と呼ばれる筋合いはないわよ」

「そういえば、姉ちゃんって小学6年生までおねしょしてたよね」

「?!」

「俺は小学1年生でしなくなったけどさ」

「なぜその事を…」

「俺がお前の弟だからだよ」

「く…信じるしかないのか…」


 よし、恥ずかしい黒歴史を言っただけで信じてくれたぞ。





「ねえ真尋」

「なに?」

「アンタお風呂とトイレどうするのよ」

「……あ」

「お風呂場行くわよ、色々教えてあげる」

「べ、別にいいよ」

「そのサラッサラなロングヘアーが勿体ないでしょ、さっさと来なさい」

「ちょ、離して、引っ張らないで」


 やばい、女の子の身体で裸なんて見たくも見られたくもないに。どうにか打開する策はないのか!


『困ってるようだね』

「ルミナ?」

「アンタ何言ってんの」

「イヤ、なんでもないっす」

『異能でテレパシーしてるんだよ。君にもできるからやってみなよ』

『…できてる?』

『できてるよ』

『…そんな事はどうだっていいんだよ。お風呂に入れられそうなんだよ、助けてくれ』

『適当に「異能で身体を綺麗にできる」みたいなこと言えばいいんじゃないかな』

『それだ』


◆◆◆


「ちょ、離してって言ってるだろ」

「ダメよ、身体の洗い方とか知っておかないと」

「異能で綺麗にできるからいいって」

「アンタ異能使えるようになったの!」

「女の子になってから使えるようになったんだよ。だからお風呂には入らなくてもいいんだ」

「…そう、ならいいわ」


 あっぶねー、なんか怪しまれてた気がするけど大丈夫だろ。てか、ホントに身体を綺麗にする異能使えるのかな。

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悪魔との契約でTSしたら可変式だった おすし @osusi1014

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