第二話 異能は手に入れたけど
言い終わると同時に光が部屋を包む。
光が徐々に収まり、その輝きの中心が見えるようになった。
そこにいたのはナニカだった。
「私は悪魔だ!」
「……は?」
それは悪魔には到底見えなかった。
それの体躯はA4用紙程度の身長にほっそりとした小さな腕、ゴスロリの様な服装だった。
「早速だが契約しよう」
「いやいや、どゆこと?!」
「だから悪魔だって言ってるじゃん」
「えぇ…」
「とりあえず契約しようよ。力欲しいんでしょ?」
「欲しいけどさ…」
「ならしよう!私は今機嫌がいい、女の子にもさせてあげれるよ」
「それはいいっす」
なんなんだろこの悪魔。
「ていうか、どうやって契約するんだよ」
「キミの血液と毛髪、あと名前が必要なんだ」
「また?」
「いや、いいよ。さっき私を召喚する時に使った血液と毛髪がある。後は名前を教えてくれるだけでいい」
「わかった。伊勢真尋だ。」
「そうか、これからよろしく」
「ああ、よろしく」
「それじゃあ、まずは女の子にするね」
「ゑ?なんで」
真尋を中心に光が部屋を包み、数秒で収まった。
そして身体には、違和感があった。
「ん…なんか、目線が低い気がする」
「随分と可愛くなったね、流石は私だ」
「え、それってどういうこと」
「気づかないのかい?髪も長くなって声も高いのに」
「ガチじゃん。これって本当に女の子になったの?幻覚じゃなくて?」
「勿論、私は言ったことは守るからね」
「えぇ…」
コイツ、断りもなく性別変えやがった。人の心はないのか……そういえば悪魔だった。
「てか、これで俺は異能が使えるのか?」
「ああ、私が行使できる異能は、キミに共有される」
「じゃあ俺も無双できちゃうやつ?」
「うん、できるよ」
「まじか、じゃあ今から使っちゃおうかな」
「今はやめて、寝たらいいよ。夜遅いし」
「んー、そうするか。」
「そうするといいよ。おやすみ」
「おう。おやすみ」
新しい朝が来た。そう、希望の朝だ。
そして俺は遂に、念願の異能を手に入れたのである。
だがそれを喜ぶ前に、女の子になったという説明を家族にしなければならない。
「どうすんの、どうやって母さんたちに説明するんだよ」
「普通に『女の子になりました』でいいんじゃないかな」
「それで納得する人は居ないんだよね」
「…そういえば、私の名前を教えてなかったね」
「ん、確かにそうだったな」
「私の名前は長いから…ルミナでいいよ」
「わかった、改めてよろしくなルミナ」
「ああ、よろしく」
そんな事をルミナと喋りながら時が過ぎていく。
そうしていると、一階から母さんに呼ばれた。
「真尋くん。もうお昼だよ、降りてきてー」
「やば、どうやって説明したらいいかな」
「だから、直接言えばいいじゃないか。女の子になりましたって」
「言えるわけないだろ。もし通報でもされ『入るよ?』ちょまっ!」
ガチャ、そんな音が部屋に響いた。勿論部屋の扉が開かれた音だ。
そして母さんは俺を見てこう言った。
「……随分と可愛くなったわね。程々にしときなさいよ」
なんか勘違いされてない?まずくない?!
「ち、ちょっと待って。話を聞いて」
「お母さんは何も聞かないから、早く着替えなさい」
「お願いだから聞いてぇ!」
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