おまけ。某月某日、スミナの日記。


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2033/03/12


一見不可能なことが、可能になる。

誤解により、ズレにより、新たな一面が見えて、前提条件がひっくり返る。世界の見え方が変わる。

そんな、この時代のミステリーが大好きだ。


可能性がなくても、道がなくても、状況が詰んでいても、解けない謎でも難問でも、

簡単に諦めない。

考えて、考えて、前提を疑って、言葉に疑問を持って、

視点を変えて、自分ひとりで抱え込まないで、登場人物を増やして、相談して。


わからなくても大丈夫。

ときには捨てた可能性をまた拾って、回り道をして、スマートには程遠くても。

それでも、「ダメだな」「これじゃない」を1つずつ積み重ねていく。

仮説を立てて、試して、潰してく。

「あれも違う、これも違う」の山を築いていく。


そうじゃないと、辿り着けない場所がある。

その場所にようやく触れたとき――心が跳ねる。


世界をひっくり返されても、前提ルールを破られても、

まだまだ諦めないよ。

未来は放り投げられないから、諦められるものか。


本当に、本当に、本当に、他に可能性がないのか? 

諦めるしかないのか?

粘って粘って粘って、考えていくんだ。

私にできることはないのか? 何かないのか?


息を詰めて。

思考を、深く深く、潜らせて。


無意識に、呼吸すら忘れるほどに……考え抜くの。


そうして、緊張感に耐え切れず、

ぷはぁーーーーーーって息を吐いて。


そうして、私は

また、今日を――続けていく。


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放課後は、電力が足りませんので。 隙名こと @sukinakoto2016

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