第4話 旅立ち

それから一年ほど経ち、俺の十六歳の誕生日が近づいていた。

カレドニア地方では成人として認められる年齢だ。

成人として認められる為には通過儀礼を経なければならない。

カレドニアの成人の儀は野外で一晩過ごすというものだ。

かつては短剣一つを持って山の中に入り、自分の力で獲物を捕らえて、食し、自分の力で野生動物から身を守り、一か月経って無事戻ったら合格という内容だったそうだが、今では弁当片手に自分の好きなところで一晩野宿して帰るというお手軽な内容になっている。

もっともこの頃の俺は魔法もかなり使えるようになっていたから、昔の試練でも平気だっただろうが。


成人の儀の前夜、父親は祭壇を作り、成人の儀を迎える息子を呼び、先祖の霊に息子が成人の儀を受けることを宣言する。

そして息子は無事、試練を乗り越えて帰ってきたら、祭壇の前で家族や先祖の霊に向かって、これからの自分の抱負を述べ、生涯をかけてそれを実現することを誓う。

誓いの内容は自由だ。

節約をして家の財産を増やすだとか、試行錯誤してより沢山の麦を収穫する農法を確立する、子供を沢山作って一族の人数を増やすと言ったものもあれば、村一番の腕を持つ狩人になるだとか、村一番の釣り師になると言う者もいるらしい。

強い戦士になって魔王を倒すなどと宣言した者もいたらしい。

かつてはその誓いを果たすことができなければ、非業の死を遂げると言った迷信もあったそうだが、今ではそれも形骸化し、成人の議を受ける者もごく常識的なことを言うのが普通らしい。

とにかく、それがカレドニア地方での成人の儀の流れだ。


俺はロバートの命で畑仕事に精を出し、村々を巡回し、仕事に励んでいた。

その間にロバートが俺の成人の儀の準備を進めてくれていることには気づいていた。

この頃、俺はよくバーン師に相談をすることがあった。

バーン師は俺の相談内容をロバートとアリシアには黙っていてくれた。


俺の誕生日の前日、午後遅く、日が傾き、全てが黄金色に輝く時間帯に俺はロバートに呼ばれて、ロバートの作った祭壇の前に立った。

成人の議の始まりだ。

祭壇と言っても質素なものだ。

ロバートが自ら倒した木からとった丸太の表皮を剥がし、削り、磨き、正面には手彫りでマカリスター家の紋章が彫られていた。

もちろん日頃木彫りなどしないロバートが彫ったのだから、出来もそれなりだ。

品質の問題ではない、父親が心を込めて用意するという事に意味があるのだ。


そして、そこには信じられないものがあった。

今夜俺が持っていく短剣だ。

その短剣は、成人の議が終わった後、息子のものとなる。

それはいつもロバートの腰にある古い短剣だった。

マカリスター家の当主が代々受け継いできたものだ。

ロバートもその短剣をいつも腰に吊るしているが、実際に使用するのは別の新しい短剣だ。

この短剣は当主の証。

マカリスター家の象徴だ。


その短剣が祭壇の上に置かれていたのだ。


俺は思わずロバートの顔を見上げた。

ロバートは俺の視線を優しく、しっかりと受け止め、頷いた。

アリシアがその傍らで微笑んでいる。

パーシーは輝くような笑顔だ。

幼い彼には何もわかってはいないだろう。

ただ、兄の晴れの舞台、それはわかっているのかもしれない。

俺はかろうじて声はおさえたが、涙をおさえることはできなかった。



俺はいつもこの短剣を自分の腰に吊るす日を夢見ていた。

この短剣を腰に吊るし、村々を巡回し、小作人達の悩みを聞き、解決する。

この短剣を腰に吊るし、領地に新たな事業を起こし、富をもたらす。

害獣が現れた時、盗賊が現れた時、暗黒戦争時のように敵が攻めてきた時、この短剣を腰に吊るし、皆の先頭に立って魔法を使い敵を撃退する。

俺はマカリスター家の当主となって、マカリスター家が代々治めてきたこのロッホナラステア湖とその周辺を平和で豊かな土地にして、皆を幸せにする。

それが俺の夢だった。

惨めな前世から、転生して与えられたこの人生でやり直し、成し遂げて見せようと誓った俺の夢だった。


ロバートとアリシアがここ一年ほど、何を考えていたかはわからない。

どうして、この決断をしたのかもわからない。


ただ、一つわかっていることがある。

それは、俺はこの二人の気持ちには決して応えないということだ。


ロバートが儀式を執り行う。

先祖の霊を呼び出して、息子であるダンカン・マカリスターが成人の議を受けることを宣言している。


俺の先祖…そう言えるのだろうか?

俺は転生者である。

前世にも両親がいて、祖父母がいて、先祖がいた。

マカリスター家の先祖達は果たして転生者の俺をどう思うだろう?


儀式が進み、ロバートが俺に今夜過ごす場所を尋ねる。

これも儀式の一環だ。

かつては儀式を受ける者がより危険な場所で過ごすことを宣言して自身の勇気を証明するという趣旨だったのだが、今では万が一のことがあった際に、家族にどこにいるかを伝えておく為になっている。


「白い谷の林で。」

俺はずっと考えていた場所を告げた。

白い谷はロッホナラステア湖の北東にある細い入り江の奥にある小さな谷間だ。

滝のように急で細い川が谷を伝って山の上から湖まで流れている。

朝方は霧に覆われていることが多く、白い谷と呼ばれるようになったそうだ。

谷はかなりの急斜面だ。

その中腹にわずかに平らになった場所が飛び出ていて、小さな木立がある。

そこが白い谷の林だ。


ロバートとアリシアの顔が曇る。

白い谷の林は一種の禁忌の地だ。

と言っても明確に行ってはいけないという規則があるわけではない。

俺は子供のころから『幽霊が出る』だとか『悪い妖精がいる』などと言った話を聞かされていて、行ってはいけないと言い聞かされていた。

大人達も『不要に行けば罰があたる』的な認識を持っている。

以前にロバートに聞いた話では古い時代にはマカリスター家の者が死ぬと白い谷の林に葬られたと言う。

今では屋敷の近くにマカリスター家の墓がある。

俺は別に禁忌を犯すなどと言った気持ちはなかった。

ただ行ったことがないし、いつも夕暮れ時に西日に照らされた時、その小さな林が美しく、一度行ってみたかったのだ。

古い時代のマカリスター家の先祖の霊に会えるかもしれないとも少しは思っていたが。


「大丈夫。心配しないで。」

俺は二人を安心させるように言った。

成人の議で夜を過ごす場所を決めるのは、儀式を受ける者の権利とされている。

反対はしないだろう。

ただ、不安にはさせたくなかった。

俺はできるだけニッコリと笑った。

思えば二人に笑顔を向けるのは久しぶりだ。

小さい頃は、いつでも笑っていたのに。


日が沈んで間もない時、西の空は下の方だけがわずかに日に染まり、あとは深い藍色に覆われる時間帯。

マジックアワーというやつだ。

ロッホナラステア湖のマジックアワーは美しい。

暗い美しさだが趣がある。

俺はその美しい景色の中、ボートで湖を渡っていた。

白い谷のある入江の奥へは湖岸まで続く断崖や歩行困難な沼沢地に阻まれ、歩いてはいけない。

ボートでしか行けないことも、危険な地とされた理由かもしれない。


入江の奥、谷間から流れる川が湖に注ぐその脇に船を引き上げ、歩き始めた。

川に沿って、できるだけ尾根から外れないように登り始めた。

道などない山肌だが、カレドニアの山はほとんど木が生えていない。

意外と登れてしまう。

しかし、あまりに急だ。

初めはそれほどでもなかったが、少し上るとキツい斜面になってきた。

斜面を登るというより、壁をよじ登る感じだ。

時折、手を使わなければならない。

片手に松明を持っているから不自由だ。

尾根を外れて川に近づくとまばらに木が生えている。

川岸を木に頼って登ってもみたが、これはこれで危険だった。

川の近くは背の低い灌木に覆われていて足元が悪い。

暗いから川に落ちかねない。

川というよりは滝に近い流れだ。

骨折しかねない。

結局、尾根を伝ってよじ登ることにした。


遂に、急な斜面から突き出たわずかな平地にたどり着いた。

ここが白い谷の林だ。

狭い。

山の斜面は川に沿ってまばらに生えているだけなのに、この狭い平地には不思議なほど木が生えている。

山側は断崖で塞がれている。

反対側も断崖となって落ちている。

断崖を伝って滝が落ち、川になって林を流れ、滝なのか川なのか判別しかねる急流となって再び落ちている。



松明の明かりを頼りに先ずは小枝を集めた。

小山を作ると今度は少し太めの枝を集めた。

薪だ。

魔法があるから着火は簡単だ。

最後に松明を丸ごと焚火に突っ込んだ。

狭い林だ。

焚火で十分に明るい。

落ち葉を探したが、まだ秋口だ。

さほどに集まらない。

あきらめて硬い地面にキルトを敷き、その上に寝そべった。

だらしなく体を横にしたまま、持ってきた食事をとった。

こんなにだらしないことをしたのは転生前以来かもしれない。

地主の子として恥ずかしくないように、ロバートとアリシアを残念がらせないように、結構似合わない努力をしてきていたものだ。

でも、それは辛くなく、楽しいものだったのだけど。

暫くの間、転生してこの世界に赤ん坊として生まれてから、これまでの記憶を辿った。

生まれて初めて視覚でとらえたロバートとアリシアの瞳。

起き上がれるようになるまで一日中眺めていた古びて黒ずんだ梁が渡る屋敷の天井。

アリシアに抱かれて初めて外に出た時に見えた景色。

初めて歩けた屋敷の前の若草色の原っぱ。

湖畔にキルトを敷いて過ごす夏の午後。

ロバートが俺を抱き、アリシアがキノコを拾いながら散策した秋の森の小道。

初めての雪遊び、思わず日本式雪だるまと雪ウサギを作ってしまい二人を驚かせてしまったこと。

思えば俺は時折、わきが甘かったな。

ロバートの前に座らされ、馬で訪れた村々。

初めての釣り。

俺はオールに絡まった釣り糸を外そうと乗り出しすぎてボートから落ちた。

ロバートがすぐに飛び込んで助けてくれた。

二人で暖炉の前で体を乾かしているうちにアリシアの焼いてくれた鱒がうまかった。

ロバートとアリシアの目を盗んで、こそこそと屋敷の本をかたっぱしから読んでいったこと。

わからない文字の意味を二人に年相応のふりをして聞く日々。

バーン師との出会い、魔法との出会い。

バーン師に頼んで取り寄せた本を読みふけり、魔法の練習に励む毎日。

その間もロバートとアリシアにはあちらこちらへと連れて行ってもらった。

そしてパーシーの誕生。


それは楽しい作業だった。

俺も初めはうまくいっていたんだ。


食事はパンにチーズ、燻製した鴨肉、自家製のピクルス。

俺の好物ばかりだ。

アリシアの心遣いが染みる。


食べ終えると林の縁まで行った。

崖の下にはロッホナラステア湖が一望できた。

ここからはマカリスター家の土地の全てが見えるんだ。

夜ではあっても目が慣れてくるとわずかな月の光でも湖の輪郭がわかった。

村々には家の灯りが見える。

屋敷の辺りに目をやるとやはり灯りが見えた。


その夜の出来事はまた別の機会に話そう。


目覚めたのは早朝だった。

名の由来通り霧で真っ白だった。

むやみに歩くと崖から落ちかねない。

日が高くなるにつれ少しずつ霧が晴れていく。

霧が晴れてから最後に湖を眺め、目に焼き付けると俺は帰り支度を始めた。

辛い一日になりそうだ。


船着き場にボートつけると村の中を通り過ぎて屋敷に向かった。

屋敷に近づくとロバートとアリシアを先頭に皆が出てきて迎えてくれた。

無事に帰ってきたから喜んでくれている。

皆笑顔だ。

やはり白い谷間の林を選んで心配させてしまったのだろう。


俺はアリシアとハグして、ロバートと握手をすると屋敷に入り、祭壇の前に立った。

因みに俺の成人の儀に立ち会ってくれたのは、両親であるロバートとアリシア、弟のパーシー、親族代表としてバーン師、小作人を代表として主要な村々の村長とその家族だ。

彼らを背に俺は祭壇の前に立っている。

俺はこれから宣言する内容をもう一度思い浮かべた。

もう決めてしまったことだから、迷いはなかった。


ロバートが先祖の霊に向かって俺が無事試練を乗り越えたこと、マカリスター家の成人として認められることを報告した。

続いて俺の出番だ。

「マカリスター家の父祖達、現在の家族、一族、庇護すべき民にロバートの息子ダンカンはここに誓う。

一つ、マカリスター家の土地から旅立つこと。

一つ、異国の地にて魔法を学び、研鑽し、偉大な魔法使いになること。

一つ、魔法の技を以て生業とし、魔法で多くの人々を助け、人々の幸せに寄与し、マカリスターの名に恥じない魔法使いとなること。

一つ、万一、このマカリスター家の土地に災厄が訪れし時には駆けつけ、これを取り除くこと。但し、この時を除いてはこの地に戻らないこと。」


背後でアリシアの泣き叫ぶ声が聞こえた。

「どうして?どうしてなの?ダンカン!」


旅立ちの朝、皆は西の境まで見送りをしてくれた。

マカリスター家の土地はロッホナラステア湖から西に流れる川の谷間、川の両岸に山が迫る狭隘部で終わる。

門のようにみえるから通称『マカリスターの西門』だ。

ここから川沿いに西に進めばすぐに海に出る。

マカリスター家の土地は山中に見えるが実は海に近い。

幾度か家族で海岸に遊びに行ったことがある。

だからパーシーは俺が一人で海に遊びに行くと思い込んで、朝から

「ダンカンずるい」

を連発していた。


昨夜、俺はロバートと随分長く話をしていた。

ロバートと腹を割って長く話し合うのは久しぶりだ。

ロバートは自分もアリシアも俺の決断に怒ってはいないと言ってくれた。

ただ残念に思っていると。

そして俺の口からどうしてこんな決断をしたのか聞きたいと。


俺はロバートにまずは感謝していることを伝えた。

二人の子として生まれて幸せだと伝えた。

そしてこの世界に転生してからの気持ち、この決断に至った経緯を伝えた。


二人がパーシーに家を継がせたいと思ったことを悪くなど思っていないこと。

二人の気持ちを思いやれなかったことへの後悔。

前世での失敗とあわせ、自分の至らなさへの失望。

転生したこの世界でやり直したいという想い。

その為に外に出て自分を鍛えたいという希望。


「でもね。ロバート。旅立っても俺はマカリスターを名乗るよ。二人の子として生まれたことは俺の誇りだ。マカリスターを名乗る以上恥ずかしい真似はできない。失敗はするかもしれないが、立派な人生を送ってみせるよ。」

「何を馬鹿な。当たり前じゃないか。お前は俺達の自慢の息子だ。どこへ行ってもマカリスターを名乗れ。ロバートとアリシアの息子だと名乗れよ。」

「ありがとう。これまでもありがとう。アリシアとパーシーのことを頼むよ。」

「パーシーが成長したら、お前のことを改めて教えるつもりだ。お前の決断がどういうことか。お前がどれだけこの地のことを考えてくれていたか…そうだ!」

ロバートは膝を叩いた。

「ダンカン。お前が考えてくれたアイデア、どれも少しずつ準備は進めてはおくが、俺はやらない。パーシーが成長したらあの子にやらせようと思うんだ。お前もパーシーも俺の息子だ。息子の考えたことは息子達にやらせたいからな。」

「ありがとう。楽しみだな。パーシーは素直な子だから良い地主になるよ。きっと。」

俺達は立ち上がって握手をした。

「ダンカン、この土地とアリシア、パーシーは俺に任せろ。立派な魔法使いになれよ。」

「ロバート、もしこの土地に災厄があればその時は必ず誓いを果たす。その為にも誰にも負けない魔法使いを目指すよ。」


西の門からは遠くに海岸がわずかに見える。

「ダンカンずるい」

パーシーが口をとがらせる。

可愛らしい。

素直な子だから将来小作人達にも愛されるだろう。

「パーシーごめんよ。本当に海に遊びに行くんじゃないんだ。大事な用事があるんだよ。」

「だって海に行くんでしょ?」

パーシーが海の方を指さす。

「ダンカンずるい」

俺は馬の手綱をロバートに預けて、パーシーと目線が合うようにしゃがんだ。

「パーシー約束するよ。またいつか海に連れて行くよ。一緒に遊ぼう。」

「本当?」

「本当さ。俺が噓をついたことあるか?」

パーシーは黙って考え込んで、俯いた。

思い当たらないらしい。


パーシーにはこれが別れだと教えていない。


「じゃ。今度海に連れてって。そのかわりいっぱい遊んで。」

「わかった。たくさん遊ぼう。」

「貝を拾う?」

「わかった。」

「砂でお山作る?」

「わかった。」

「お魚捕れる?」

「どうかな?パーシーができるようになったら釣りをしよう。」


俺は転生する前の世界で嘘つきと言われたことがある。

仕事がうまくいかなくて、問い詰められて、窮した果てににふと言ったことが間違えていて、嘘だと思われたのだ。

俺は仕事がうまくいかなくなりそうな時、事前にまわり伝えたりするのが苦手だった。

いざという時に要領よく受け答えできる話術もなかった。

その場になってこうすれば良かった、こう言っておけば良かったと後悔して、悪いと思うのだが…

失敗した前の人生を後悔しても、もう遅い。

今、俺はパーシーに嘘をついた。

初めてうまい噓を、初めて正しい嘘をつけた気がする。


最後にもう一度アリシアとハグして、ロバートと握手をした。

村々の代表者達に手を振った。

皆それにこたえて手を振ってくれたが怪訝な顔をしている。

彼らは俺が転生者だと知らないから、今回のことを奇異に思っているだろうな。

彼らは当然俺が次期当主になると思っていたはずだ。

一応、俺が稀に見る魔法使いの資質があると思われるから、南に行って魔法を本格的に学ぶと知らせてはある。

資質があるかどうかはわからないが、事実だしな。


最後にパーシーを抱き上げた。

「パーシー、約束だ。」

「ねえ、ダンカン。」

「なんだ?」

「早く帰ってきてね。」

「ああ、わかった。」

パーシーはまだ幼い。

将来のパーシーには俺はどんなふうに覚えられているのだろう?


俺は馬に跨ると西へと向かった。


傍らの川は幅が広がり、蛇行を始める。

河岸の砂地が広くなり、やがて河口に到達した。

そこで道は海岸線沿いに南に向かう。


俺はここで泣き始めた。

これまで抑えていた涙が止まらなかった。


俺は大好きだった土地を去った。

ずっと夢見ていた未来を諦めた。

もし俺が転生者でなければ、手放すことは決してなかっただろう。

もし俺が転生者でなければ、こんなことにはならなかっただろう。

もし俺が転生者でなければ!


な、転生者なんて負け組だろ?

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