空が青いのは……

餅月 響子

空が青い理由

 芝生の上に寝転んで、目をつぶる。

 冷たい風が頬を打った。

 隣に君がいる。


 悲しくて、悔しくて、泣いている君が。


 どうしてここにいるのかな。

 僕に話を聞いてほしくているのかな。

 でも泣きながら話す君の声を僕は何と言っているか

 わからない。

 

 とりあえず、うんと何度も頷くだけ。

 泣くだけ泣いて、喋るだけ喋ったら、満足した君。


 横を向いて、顔を覗く。


「ちょっと!!! こっち見ないでよ」

「さっきまでずっと泣きながら話していたのに?」

「むむむ!! もう、何も言わないで」


 茶化されて涙からイラ立ちに変わった君を見ていて、暇が全然ない。


 飽きがこなくて、楽しいんだ。


「何を笑っているの?」

「ううん、なんでもない」


 ふわふわと流れる雲を追いかけながら、空を見渡す。


 きっと、この空が青いのは君がたくさん涙を流したせいなんだろうな。

 そう思ったら、すごく綺麗に見える。


 西に照らされる夕日でできた虹が大きかった。


「あ……」


 君はその虹を見て、最上級の笑顔を見せた。

 僕は心からほっとした。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

空が青いのは…… 餅月 響子 @mochippachi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画