第7話 「霊木迷宮と風の精霊」


黒の森の奥、樹々の隙間に不自然な光が差し込んでいた。

「……あれは?」浩は短剣を握り、慎重に進む。


光の正体は、巨大な霊木が幾重にも重なる迷宮だった。

根や枝が入り組み、自然の迷路のようになっている。


「ここが……霊木迷宮?」フレイラが炎で道を照らす。

ミストラも水の光で通路の安全を確認する。


迷宮の中、足元には小さな落とし穴と滑りやすい苔。

「慎重に……一歩ずつ」浩は呼吸を整える。


突然、風の気配が迷宮内を駆け抜けた。

「……誰?」小さな声が響く。透明な翼を持つ光が揺れる。


風の精霊、ゼフィールだ。透き通った体に淡い緑の光が流れる。

「あなたは……森を進む者。力が強い……」ゼフィールは囁いた。


「……仲間になってくれる?」浩は短く答える。

ゼフィールは風に舞いながら近づき、手のひらに降りた。

その瞬間、空気が澄み、迷宮内に微かな風が流れ始めた。


ステータス画面に変化が現れた。


――レベル:8

――スキル:火魔法(初級)/水魔法(初級)/風魔法習得(初級)

――体力:35

――魔力:30


「風魔法……!」浩は杖を握り、手のひらから小さな風の刃を放つ。

迷宮の壁の蔦を切り、進路を確保することができる。


奥に進むと、迷宮の中で中型魔物「蔦絡みゴブリン」が出現。

体は緑の蔦に覆われ、素早い動きで攻撃してくる。

浩は風魔法で魔物の動きを制御し、火と水の魔法で追い詰める。


連携攻撃で魔物を倒すと、壁の奥に小さな宝箱を発見。

中には「風斬りの短剣」と「魔力回復ポーション」。

斬撃に風属性が付与され、戦闘がより有利になる。


迷宮を抜けると、森の奥深くに続く新たな通路が見えた。

黒の森進行度:40%。


「これでさらに、戦える……」浩は短剣と杖を握り直す。

精霊三体の連携で、森の魔物たちへの戦力は大幅に向上した。

未知の危険が待つ黒の森でも、浩の足取りは確かになった。


洞窟内の通路には、自然の罠や小さな迷路が幾つも存在する。

枝や蔦、落石を避けながら進む浩は、精霊三体の力を巧みに活かす。

風魔法で蔦を切り、水魔法で滑りやすい床を安定させ、

火魔法で視界を照らす――完璧な連携が生まれていた。


霊木迷宮の奥で、光る洞穴の入り口を発見。

「……次はあそこか」息を整え、短剣と杖を握り直す。

森の奥に待つ未知の魔物たち、そして隠しダンジョンへの道。

浩は精霊と共に、一歩ずつ進む。


黒の森進行度:45%。

――レベル:8


浩の瞳には決意が宿る。最弱の勇者として召喚された高校生が、

今や三体の精霊と共に戦える存在へと変わりつつあった。

森の奥深く、彼を待つさらなる試練――それは、まだ誰も知らない。


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