第8話 「暗黒沼と闇の精霊」


霊木迷宮を抜け、森の奥へ足を進める浩。

空気は湿り、霧と闇が混ざったような不気味な空間が広がる。


「……ここが暗黒沼か」浩は息を吐く。

水面は黒く、底は見えず、周囲の木々には不自然な影が漂う。

フレイラの炎が揺れ、ミストラの水流が微かに光を作る。


「足元に注意……」慎重に進む浩。

沼の水は深く、踏み込めば足を取られる危険がある。

暗闇に紛れる魔物の気配が、森よりも濃く感じられる。


微かな光が沼の中央で揺れた。

「……あれは?」風の精霊ゼフィールも警戒する。

闇の精霊ノクティアが姿を現す。黒い霧のような体に紫の瞳が光る。


「……人間、ここに来るとは大胆だ」ノクティアの声は静かで低く、

沼の空気に重く響く。

「仲間になってくれませんか?」浩は短剣と杖を握り直す。

ノクティアはしばらく考えるように宙に漂い、やがて手を差し伸べた。


ステータス画面に変化が現れる。


――レベル:9

――スキル:火魔法(初級)/水魔法(初級)/風魔法(初級)/闇魔法習得(初級)

――体力:40

――魔力:35


「闇魔法……」浩は手をかざし、小さな影の刃を生み出す。

沼の暗闇を制御でき、隠れた魔物を察知する能力もある。


沼の奥で中型魔物「毒牙クロウ」が姿を現す。

鋭い爪と毒を持つ魔物で、動きは俊敏だ。

「……ステルス戦法だ」浩は短剣を握り、ノクティアと共に静かに接近する。


ノクティアの闇魔法で魔物の視界を奪い、静かに近づく。

フレイラが炎で視界を微かに乱し、ミストラが水流で足元を制御。

風の精霊ゼフィールが空気の流れで魔物の動きを読む。


連携攻撃で、毒牙クロウを倒すことに成功。

魔物は悲鳴を上げ、暗黒沼の水面に沈む。

「……やった」浩は息を整え、精霊四体との連携を確認する。


宝箱が現れ、中には「闇斬りの短剣」と「強力回復ポーション」。

短剣は闇属性が付与され、暗闇の戦闘で威力を発揮する。


黒の森進行度:50%。

――レベル:9


浩は短剣と杖を握り直し、四体の精霊と共に歩き出す。

暗黒沼は危険に満ち、湿度と毒気が体力を奪う。

しかし、四体の精霊と連携することで、森の奥でも生存率が大幅に上がった。


沼の奥深く、静かに動く影――未知のボス魔物の気配が漂う。

最弱の勇者だった高校生は、今や四体の精霊と共に戦える戦力へと変わった。


黒の森の進行は半分に達し、隠しダンジョンへの道が近づく。

森の奥、未知の魔物と罠、そしてさらなる試練が待っている。

浩は短く息を吐き、斧、杖、短剣を握り直す。


「……次も、勝つ」

黒の森の闇に、勇者の決意が確かに響いた。

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