第6話 「隠し洞窟二層、罠と中型魔物」


樹霊ゴルデン・ブランチを倒した浩は、森の奥深くへ足を進める。

空気は湿り、木々はより太く、森全体が不気味な重さを持っていた。


「……次は、洞窟か」短剣を握り、フレイラとミストラを確認する。

炎と水の光が、霧のような森の暗闇をほんのり照らす。

目の前に現れた岩壁の隙間は、まるで自然の迷路の入り口のようだ。


慎重に進むと、通路は次第に狭く、足元は滑りやすくなった。

苔や落ち葉、小石が散らばり、森よりもさらに神経を使う。

「気を抜けない……」浩は短くつぶやく。


奥に進むと、床が微かに沈む箇所を発見した。

「罠……?」杖で床を突き、慎重に確認する。

小型の落とし穴や刃の罠が隠されており、森の戦闘とは違った緊張が走る。


フレイラの炎で床や壁を照らし、ミストラの水流で罠の影を浮かび上がらせる。

「これなら……大丈夫」浩は慎重に通路を渡った。


さらに奥に進むと、洞窟の広間に出た。

湿った空気が漂い、岩壁には青い苔が光る。

その中央で、中型魔物「岩爪バジリスク」が姿を現した。

硬い鱗に覆われ、鋭い爪を振り回す、凶暴な姿だ。


「……やばい」浩は息を整え、短剣と杖を握り直す。

「フレイラ、ミストラ、連携!」小声で指示を出す。


バジリスクは跳躍し、岩壁を蹴って素早く迫る。

浩は水の盾を構え、炎の光で視界を乱す。

魔物は一瞬動きが止まり、その隙に短剣を突き立てた。


バジリスクの爪が岩壁を叩き、振動が床を伝える。

「くっ……!」反動で後退しながらも、浩は集中を保つ。

ミストラが水流で脚元を流し、動きを鈍らせる。

フレイラは炎の玉を投げ、注意を引く。


炎・水・短剣の連携で隙が生まれ、浩は全力で斬りかかる。

バジリスクは咆哮し倒れる。森とは違う洞窟内の戦いで、

連携と戦略の大切さを初めて実感する瞬間だった。


戦闘後、宝箱が現れ、中には「岩爪の斧」と「魔力回復ポーション」。

斧は攻撃力が高く、中型魔物戦で威力を発揮する装備だ。

浩は短剣を外し、斧を手に取り感触を確かめる。


――レベル:7

――スキル:火魔法(初級)/水魔法(初級)

――体力:30

――魔力:25


洞窟を抜け、外に出ると木漏れ日が差し込み、森の奥深くが広がる。

「これで少しは戦える……」浩はつぶやき、足を進める。


黒の森進行度:30%。

森はさらに奥深く、未知の魔物と隠しダンジョンへの道が待っている。

しかし、精霊との連携と装備の成長で、浩は確実に力を増していた。


森の中の小川や岩場、倒木を駆け抜けるたび、

戦闘で得た経験が自信に変わる。

未知の魔物との戦闘も、恐怖ではなく、挑戦として受け止められるようになった。


浩は深呼吸をし、斧を握り直す。

「……次はどんな魔物が待っているんだろう」胸にわずかな高揚を感じる。


黒の森は危険に満ちているが、最弱だった勇者は、

精霊との連携と戦略で少しずつ森を攻略していく。


森の奥深く、未知の危険が待つ中、浩の足取りは力強くなった。

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