第5話 「森の巨樹、樹霊ゴルデン・ブランチ」


霧地帯を抜け、森の奥に進むと、空気はさらに重く濃くなった。

木々は異様に太く、葉のざわめきは低く唸るようだ。


「……ここが、森の深部か」浩は短剣を握り、慎重に進む。

フレイラが炎を揺らし、ミストラが水流で通路を照らす。

闇の奥に何かが潜む気配を、全身で感じる。


突然、地面が小さく揺れ、大きな影が現れた。

「……あれが、樹霊か!」浩は息を呑む。

樹霊ゴルデン・ブランチ――巨木の魔物で、枝は鋭く黄金の目が光る。


森の空気が振動し、落ち葉が舞い上がる。

「まずは……様子を見るしかないな」浩は短剣を握り直す。

フレイラとミストラを連携させ、戦略を練る。


樹霊は枝を振り回し、地面を叩き、森全体を揺らす。

「くっ……攻撃範囲が広すぎる!」浩は杖を掲げ、水の盾で防御する。

落ち葉や土が舞い、視界が一瞬奪われる。


フレイラが炎の竜巻で注意を引き、浩は短剣で隙を狙う。

樹霊の巨枝が空を切り、森に地鳴りが響く。

ミストラの水流が脚元を流し、動きを鈍らせる。


「今だ!」浩は短剣を振り下ろす。

火と水、短剣の三連携で樹霊の防御を崩す。

枝が揺れ、巨体がわずかに傾く。


樹霊は咆哮し、さらに枝を振る。

だが、浩は焦らず、再び連携魔法で隙を作る。

短剣で深く斬り込み、ついに樹霊は地面に倒れ込んだ。


森に静寂が戻る。息を切らしながらも、浩は勝利を噛み締める。

「……やった……!」火と水の精霊が小さく揺れ、戦いの勝利を祝う。


戦利品として宝箱が出現。中には「樹霊の枝剣」と「生命回復ポーション」。

枝剣は攻撃力が高く、特に大型魔物戦で威力を発揮する。


――レベル:6

――スキル:火魔法(初級)/水魔法(初級)

――体力:30

――魔力:25


浩は新たな武器を手に、戦力の向上を実感する。

森の奥、まだ見ぬ魔物と隠しダンジョンへの道が、静かに彼を待っていた。


黒の森進行度:25%。


森の木々は揺れ、葉が光を反射する。

風や水、炎の精霊との連携で、浩は少しずつ黒の森を攻略する自信を得た。

森の奥には、さらに強力な魔物と危険が潜んでいる。


しかし、最弱の勇者だった高校生が、精霊との連携で少しずつ戦える存在へと変わりつつある。

短剣と杖、炎と水、そして新たな枝剣――それらすべてが、彼の命を繋ぐ武器だ。


浩は森の奥を見据え、短く息を吐いた。

「……次も、勝つ」


黒の森の深部、未知の魔物たちの目が光る。

だが、精霊と共に歩む勇者の足取りは確かだった。



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