第3話 「隠し洞窟と水の精霊」


黒の森を進む浩の足元には、落ち葉が厚く積もり、

踏み込むたびにカサカサと音を立てた。


「……深い森だな」浩は短剣を握り、慎重に周囲を見渡す。

フレイラの炎が小さく揺れ、暗い森を淡く照らす。


森の奥には、不自然に岩が積み重なった場所があった。

「これは……洞窟?」小さな隙間から微かな光が漏れる。

苔で覆われ、まるで自然の迷路の入り口のようだ。


「中に入るしかないか……」浩は覚悟を決め、短剣を握り直す。

フレイラも小さく炎を揺らし、森の闇を少し明るくした。


洞窟の中はひんやりとして湿度が高い。

足元は滑りやすく、苔と小石で慎重に歩かねばならない。

薄暗い通路の奥、静かな水の音が響く。


「……この音は小川?」森の中の自然な水音とは違い、洞窟内部から

聞こえる神秘的な水音に、浩は心を落ち着ける。


奥に進むと、突然小型魔物「鋼爪リザード」が飛び出した。

背中には硬い鱗があり、鋭い爪で攻撃を仕掛けてくる。


「わっ、危ない!」浩は後ろに飛び、短剣を振るが、当たりは薄い。

フレイラが炎の玉を投げ、魔物の動きを止める。

その隙に浩は短剣で斬りつけ、鋼爪リザードは倒れた。


「ふぅ……なんとか勝てた」息を整える浩。

だが、洞窟の奥にはさらに未知の魔物が潜んでいることを感じる。


進むと、壁に光る文字と模様が現れ、宝箱の存在を示す。

「宝箱……?」浩は慎重に近づき、ゆっくりと蓋を開けた。


中には青く輝く杖と、ルミナスフラワーが入っていた。

杖は水の魔力を帯びており、森や洞窟での戦闘に使えそうだ。


――レベル:3

――スキル:火魔法(初級)/水魔法習得(初級)

――体力:18

――魔力:10


浩は杖を手に取り、水の魔法を試す。

手のひらから小さな水流が生まれ、洞窟の空気を揺らした。

フレイラも感心し、炎で洞窟を照らし続ける。


そのとき、淡い青い光が洞窟奥から現れた。

水の精霊、ミストラだ。透明な体に青い光が流れる。

「あなた……火の精霊と共に森を進む者?」その声は水のせせらぎのように柔らかい。


浩は息を整え、短剣と杖を握り直す。

「はい……仲間になってくれますか?」

ミストラは微笑むように光を揺らし、浩の手のひらに降りた。


ステータス画面に変化が現れる。


――レベル:4

――スキル:火魔法(初級)/水魔法(初級)

――体力:22

――魔力:15


ミストラの力で、水魔法が自在に使えるようになり、戦闘の幅が広がる。

洞窟内の小川を操り、足元の罠を安全に通過できるようになった。


洞窟を抜け、森の奥深くに出ると、緑の光と小川の音が心を癒す。

「これで、少しは生き延びられそうだ」浩は短くつぶやき、足を進める。


黒の森進行度:10%。

――レベル:4


森は深く、まだ見ぬ魔物たちが潜む。

だが、精霊二体の連携で、浩は少しずつ自信を取り戻していた。

未知の森の奥、隠しダンジョンへの道が、静かに彼を待っている。


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