第4話 依頼

俺はあらかたのギルドの説明を聞き、依頼掲示板に向かった。


Xランクの依頼は隅の方にあり、その内容は…


逃げ足草の束×10採取(報酬:1500エマ)

用途:漢方・逃走補助

備考:触ると逃げる


5. くしゃみ花10輪(報酬:1800エマ)

用途:宴会の余興

備考:採取中ずっとくしゃみ


6. 薄笑いキノコ×5(報酬:2000エマ)

用途:劇団の小道具

備考:見てると腹立つ


だった。


うーーん…

どれもこれも…

なんていうか…

ギャグ…?


いや、これは真面目な依頼なんだッ!


俺は逃げ足草の束を採取する依頼を選ぶ事にした。


しかし、触ると逃げるのに、どうやって採取するんだ???

よく分からない。


まぁ、なんとかなるっしょ。


俺は依頼の紙を受付に持っていく。


「はい、逃げ足草の束の採取ですね。

報酬は1500エマとなります。

頑張ってくださいねっ!」


そして、にこやかに送り出された。


逃げ足草はここから10キロ先の逃げの原に生えているらしい。

まじか…

10キロか…


馬車…

使っちゃダメなんだよなぁ…


めんどくせーな、もう!


ん?

確かミッションは、馬車代を節約せよ、だったよな?

馬車に乗っちゃダメとは書いていない…


と言う事は…?


♦︎♦︎♦︎


俺は馬車乗り場に居た。

逃げの原に向かう馬車は…あれか…


俺は馬車の背後につける。


そして、馬車が走り出したその時!


俺は馬車の荷台の紐にしがみついた!!!


これで、馬車代タダぁぁ!!!


しかし、乗り心地は最悪!!!


俺は馬車の荷台にしがみついて、逃げの原に到着した。


しれっと馬車から降りた客を装う。


「あれ?

1人客が多く無いか?

…まぁ、気のせいか。」


御者は冒険者が帰るまで、暇を潰すようだ。


俺は逃げ足草を探す。


「お、あった!」


俺が手を伸ばすと逃げ草は逃げていく。

それが、すばしっこいのなんのって…


「おりゃぁぁ!!!」


俺はジャンプして、逃げ足草を捕まえる。


これは、大変だぞ…


傷だらけになりながら、なんとか10束を捕まえた。


そして、帰りは馬車にしがみつくのか…

中々にハード!


しかし、やるしか無い!!!

俺は馬車にしがみついた!

ヒャッハー!

風が吹き付ける!


俺は髪をぐしゃぐしゃにしながらも、なんとかイライザの街に帰り着いた。


馬車代節約、きちぃよ!


そして、冒険者ギルドに向かった。


「あら?

髪、すごい事になってますよ?」


「…知ってます。」


何せ馬車にしがみついていたんだからな!


そして、俺は報酬の1500エマを手に入れた。


何だか10年分くらいの体力を使い果たした気分だ。

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