第6話 重なる孤独と、涙の告白
ひめかとお風呂で身体をお互いに洗い合って、マットプレイを楽しんだ後
詳しくは
https://novel18.syosetu.com/n5781ln/6
--------------------------------------
シャワーで軽く互いの身体を流し終え、俺たちは新しいバスタオルを巻いたまま、真っ白なシーツが張られたベッドへ移動した。
ふわりと沈み込むマットレス。隣に座ったひめかの肩と、俺の肩が触れ合う。
その僅かな接点から、ひめかの体温がじんわりと伝わってくる。
それは、さっきまでの激しい行為の熱残りであり、同時に、彼女自身が持つ根源的な優しさのようにも感じられた。
ひめかはサイドテーブルから冷たいお茶のペットボトルを取り出し、少し震える手で蓋を開けて差し出してくれた。
「ふぅ……健二様、初めてなのに……とてもお上手で、凄かったですね♡」
「あはは……ごめん、ちょっと張り切りすぎちゃったかな」
俺は苦笑いしながら受け取った。
喉を潤しながら、視界の端に浮かぶ無慈悲な数字を確認する。
【呪い進行度:5%排出済み】
【残り時間:5時間23分……】
(素股での射精でも、わずかだが効果があったらしい。……でも、あと19回? 厳しいな)
5%じゃ全然足りない。100%にするには、このあとのプレイ時間だけじゃ、ひめかさん一人に頼り切るのは物理的に不可能だ。
他の中出しOKな嬢を探すしかないか。
俺の顔に、焦りと、諦めに似た暗い色が浮かんでしまったのだろう。
ひめかがハッとしたように俺の顔を覗き込んできた。
ナンバーワンたる所以は、容姿だけでなく、相手の心のさざ波を見逃さない、その卓越した感受性にあるのかもしれない。
「健二様……? どうかされましたか? もしかして、私のプレイに……何か至らない所がありましたか?」
彼女の声色が、甘えるようなトーンから、真剣に相手を案じるものへと変わる。
「なんでも遠慮せずにおっしゃってくださいね。ここは、健二様が癒やされるための場所ですから」
その真剣な眼差しに、俺は首を横に振った。
「いや、違うんだ。全然違う! 最高だったよ。 マジで、人生で一番気持ちよかった」
俺の言葉に嘘がないと分かると、ひめかはパッと花が咲くように表情を緩め、「よかったぁ……♡」と心底安堵したような息を漏らした。
そして、自然な動きで俺の肩にコトンと頭を預けてきた。
さらさらとした茶髪が、俺の首筋をくすぐる。
温かい。この温もりは、血生臭い異世界の戦場にはなかったものだ。
だが、その温もりが逆に、俺の胸をきゅっと締めつけた。
この優しさを前にして、俺は自分の抱える絶望を隠し通せるだろうか。
俺は、独り言のようにぽつりと漏らした。
「……実はさ」
呪いのことは言えない。
『魔王の呪いでちんこが爆発するから、何が何でも中出しさせてくれ』なんて言っても、頭のおかしい人だと思われて通報されるのがオチだ。
だから、俺は現状を「死に至る病」という形に翻訳し、嘘の中に本当の「痛み」だけを混ぜて伝えることにした。
「俺、社会人になってから、10年近く、まともな休みなんてあまりなくて。
……毎日終電までサビ残。家に帰っても泥のように寝るだけで、起きたらまた仕事。本当に、働き蟻だったんだ」
俺は目線を落とし、タオルの端を強く握りしめた。
異世界での10年間の奴隷のような日々。孤独と恐怖。それが脳裏をよぎる。
「最近、その職場をようやく辞めたんだ。これでやっと、自分の人生を生きられるって思った矢先に……病気が発覚して」
少しだけ声が震えた。
これは演技じゃない。一人の勇者が背負った、日本滅亡のカウントダウンへの恐怖と、理不尽な運命への嘆きだ。
「明日、死ぬかもしれないって言われた。現代医療ではもう、治療できないみたいで」
肩を預けていたひめかの身体が、びくりと強張った。
彼女はゆっくりと顔を上げ、俺を見つめた。
そのヘーゼル色の瞳が、驚きと、そして深い悲しみで揺れている。
「せっかくこれから、普通にご飯食べたり、旅行したり、誰かと笑ったり……そういうの、全部これからだって思ったのに……」
俺は俯いて、小さく笑った。乾いた、自嘲の笑い。
「頑張って、頑張って、馬鹿みたいに歯を食いしばって生きてきて……最後のご褒美がこれかよって。……笑っちゃうよね」
「……笑えませんよ」
震える声がした。
見ると、ひめかの大きな瞳から、大粒の涙が溢れ出していた。
「……そんなの、ひどすぎます……。そんなの、あんまりですよ……」
彼女の瞳から零れ落ちた雫が、俺の手の甲にぽたりと落ちた。
温かく、生々しい、他人の涙の熱さ。
俺は、その熱さに、どうしようもなく胸を打たれた。嘘を吐いている罪悪感と、彼女の純粋な同情心に対する感謝が混ざり合い、喉が詰まる。
「……私、健二様と……妹のこと、重ねちゃいました」
彼女は震える声で、涙をこらえようと唇を噛みながら続けた。
「みんなには内緒にしてるんですけど……私の妹が、難病でずっと入院してるんです。治療費がすごくかかって……だから、私、ここで稼がなきゃいけなくて……」
俺は息を呑んだ。
スキルがなくたって分かる。ひめかが嘘偽りなく、この重大な秘密を打ち明けてくれていることが、言葉の重さから痛いほど伝わってきた。
「妹はお姉ちゃん子で……以前は本当に甘えん坊で、可愛くて。でも病気が発覚してからは、ずっと入院してて……私もお金のことばっかりで……。
妹のためにって思って頑張ってきたけど……妹は、私が苦しんでるの分かってて……
『病気になってごめんね。私がいなければお姉ちゃんも楽になれるのに』って言うんです……」
ひめかの美しい顔が、苦渋に歪む。
「まだ14歳なのに、自分の命を諦めてる顔をするんです。
私がいくら『生きて』って言っても、妹は自分が私の重荷になってるって思い込んでて……。
このままじゃ、全部ダメになっちゃうって……毎日思ってて……どうしたらいいか分からなくて……」
言葉にならなくなったのか、彼女は
「うぅっ……」と嗚咽を漏らし、俺の胸に顔を埋めた。
誰にも相談できる相手がいなかったのだろう。
「歌舞伎町No.1」という華やかな仮面の下で、彼女はたった一人で、重すぎる現実と戦い続けていたのだ。
俺の語った理不尽な運命が、彼女の張り詰めていた糸を切ってしまったのかもしれない。
少女のように泣きじゃくるひめかを抱きしめながら、俺は思った。
俺も日本滅亡(ちん◯ばくはつ)の危機という極限状況だが、この子に何か協力してやりたい。
いや、協力しなければならない。
自分の内面で抱えている弱みを、嘘と真実を交えながらも、お互いに見せ合った。
そしてそれが、どちらも「死」と「大切な人の命」に関わる、似たような深い悩みだった。
孤独だった二つの魂が、この狭い個室で共鳴し、一気に精神的な距離が近づくのを感じた。
これがたとえ、俺に同情させて金を搾り取るための営業トークだったとしても、ひめかになら「それでも良い」と自然と思えていた。
それくらい、俺の胸で泣く彼女の体温は真実だった。
俺は、ひめかの震える背中を優しく撫でながら、覚悟を決めた。
自分の持つ『回復魔法』のことを話そう。
もちろん、「魔法」なんて言っても信じてもらえないだろう。
だから、別の言い方で。
彼女の希望となり得る、俺だけの「力」のことを。
俺は、ひめかが泣き止むのを、静かに待ち続けた。
ただのソープ嬢と客という関係は、もうここにはなかった。
異世界で魔王を倒したら ち◯こに時限爆弾つけられたんだが〜献身ギャルから幸薄人妻まで、彼女たちの絶望を愛で塗り替える現代勇者の無双録〜 大気圏 @yositomo222
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界で魔王を倒したら ち◯こに時限爆弾つけられたんだが〜献身ギャルから幸薄人妻まで、彼女たちの絶望を愛で塗り替える現代勇者の無双録〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます