第10話【岐阜日報・三面記事より(12年前・再掲)】
【岐阜日報・三面記事より(12年前・再掲)】
聖夜の惨劇、酒乱母を殺害 「僕がやった」と長男が自首
岐阜県美濃市 — 日本中がクリスマスのイルミネーションに彩られた12月24日深夜、美濃市の木造アパートの一室で、この家に住む無職、棚橋(たなはし)よし江さん(当時45)が頭から血を流して死亡しているのが見つかった。県警関署は25日未明、よし江さんの長男で、数年前から家を出ていた会社員の直樹(なおき)容疑者(当時22)を殺人容疑で緊急逮捕した。直樹容疑者は、「僕がやりました。母の暴力から妹を助けたかった」と容疑を全面的に認めているという。
■ 絶えなかった母の奇行、響く怒声
捜査関係者及び近隣住民への取材によると、よし江さんは夫と数年前に死別後、長女の絹代さん(当時16)と二人暮らしだったが、数年前からアルコールに溺れ、日夜を問わず大声で絹代さんを罵倒する声がアパートの外まで響くなど、近隣でもトラブルが絶えなかったという。よし江さんを知る近所の女性(68)は、「いつもお酒臭くて、昼間からフラフラしていた。娘さんはいつも痩せていて、笑顔を見たことがなかった。本当に可哀想だった」と涙ながらに語った。
事件当日、直樹容疑者は数年ぶりに実家を訪れた際、室内で絹代さんがひどく痩せ細っているのを発見。母親のよし江さんを問い詰めたところ、口論となり、カッとなって近くにあった酒瓶で殴りつけた、と供述している模様。
■ 「全部、僕が」と繰り返す
「『母を殺した。全部、僕がやったんだ』と、震える声で通報があった」。当時、110番通報を受けた署員はそう語る。署員が現場に駆けつけると、直樹容疑者は妹の絹代さんをかばうようにして玄関の前に立ち尽くし、抵抗することなく両手を差し出したという。取り調べに対しても、「妹は関係ない。全て僕が一人でやったことです」と、一貫して妹への関与を否定し続けている。
県警は、よし江さんの長年にわたる絹代さんへのネグレクト(育児放棄)や虐待が、事件の引き金になったと見て、慎重に捜査を進めている。聖夜に起きた、あまりにも悲しい家族の崩壊劇に、静かな田舎町は深い悲しみに包まれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます