第13話 三重異能戦② 異能の考察と範囲

「トオル。星崎とキャッチボールしてこい」


 ベンチでナナシが声を飛ばす。


「ユイ、状況は?」


「ワンストライク。アリスちゃんはヒットです」


「オッケー」


(とりあえず盗塁のサイン。キャッチャーの守備範囲と反応を調べる)


 ナナシが盗塁のサインが出す。


(異能なしでの盗塁、了解)


 アリスは一瞬だけうなずいた。


(マジかよ……初球から行きたかったな)


 ヨゾラは視線を切る。


(このキャッチャー精神系で、見られてる可能性あるし、頭空っぽにしよ)


――相手キャッチャー。


 現時点で確認できる異能は精神系のみ。


(動いてくるか……?)


(いや、来ない。三球目のストレートを引っかけさせて、サードゴロ――その未来は変わらない)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 二球目。


 アリスは完璧なスタートを切った。


 一塁ベースを蹴った瞬間、迷いはない。

キャッチャーは一瞬、動きを止め――


 投げない。


 スキを突き楽々セーフ。


「……よし」


 ナナシが小さく息を吐く。


「間違いないな」


「ええ」


 ユイも頷いた。


「あのキャッチャーの異能は、バッターボックス限定」


 ナナシは冷静に分析する。


「それと……少しおかしい」


「心を読むだけなら、今の動きで牽制を入れるべきだ」


「けど、そうしなかった」


ユイも続ける。


「さっきのタッチアップも同じです。心を読む異能なら、サードに投げてアピールしてる」


「つまり」


ナナシは結論を口にする。


「あのキャッチャーの異能は、“心を読む”じゃない」


 沈黙。


「……厄介ですね」


「かなりな」


 ナナシは星崎を見る。


「スコア、絶対に取り忘れるな。6回までに――」


 視線が鋭くなる。


「あのキャッチャーの異能、必ず暴く」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ツーアウト!」


 相手キャッチャーの声が響く。


「ツーアウト!」


 相手ベンチも呼応する。


(さあ……)


 相手キャッチャーは構え直す。


(得意のストレートで、締めよう)


 白球が、異能通りにサードゴロに終わるのを信じている。


 その後、鬼頭はあっけなく、サードゴロに倒れ、初回の攻防は終わる。




以下 1回裏終了時点の試合結果 交代先の異能のみ表示

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三重異能  先行 得点0 


三重異能   名前  1回       


1番ライト  加藤  ショートゴロ

2番レフト  伊藤  サードフライ   

3番捕手   木村  サードゴロ  

4番ファースト佐藤

5番センター 宮川 

6番サード  高橋  

7番セカンド 田中  

8番ショート 渡辺  

9番投手   神成     


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

倉田山 得点 1

打席結果


三重異能   名前  1回       

1番捕手   神無  四球

2番センター 雫石  犠打   

3番投手   熊無  犠打(異能)  

4番ライト  叢雲  ライト前ヒット

5番ファースト鬼頭  サードゴロ

6番サード  服部  

7番レフト  中村  

8番セカンド 神無月  

9番ショート 神無月

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2026年1月13日 01:00 毎日 01:00

異能野球部へようこそ、幼馴染の約束のために無能力だけど甲子園を目指す ゆうま @Yuuma443

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