第2話 告白
いつものように駅構内を通る。でも、今日はいつもと少し違う。隣にはあのカノンちゃんがいるのだから。
「…本当に大丈夫?」
「へっ?ああ、はい。」
まだ彼女の恐怖心は去っていないようだ。
「今日シフト終わり際にミスをしてしまって閉店時間を超えて居残ってしまいました。」
「じゃあ、事務室で発注やっていた感じ?」
「はい。発注が完了して女性ロッカー室に入って着替えようとした矢先、突然副店長が入って来たんです。」
「っ!」
(なんて奴!女性1人だけの状況を利用して!)
「それで、ビックリしながらも、一応『業務のことですか?』と尋ねたら『違う!』と断られ、私の身体を触ろうと素早く手を伸ばしてきました。けど、あの人が入って来た時点で異様だと気付いたので、危なく抵抗できました。その時に無香さんが来てくれて……。」
冷静に話してくれたが、ウルウルと彼女は泣き始めた。
「あ、あの、本当に大丈夫、でさはすか?」
人通り多い駅構内で泣くせいかすれ違う人々から注目を浴びさせられる。
「と、とりあえず、座りましょう。」
近くのベンチへ腰掛け、泣き止むまで彼女の側に付いた。
「ほんっと、男って、嫌いです。」
「へっ?ああ、まあ確かに?あれはあの人が悪いよ。」
「違います!」
「へっ?」
彼女は真剣な眼差しでこちらを見つめていた。
「……私、理解できないんです。男女が恋愛することに。」
「へっ?」
「結婚して、家庭を持つことに。」
「それはどういう、こと?」
煩わしそうにきっと睨む。
「私、女が好きなんです。」
「……ッ!!………それは…同性愛者、ってこと?」
「はい。」
頭が追いつかなかった。だってあなたはさっき、襲われそうになったんだよ?なのにどうして、ほとんど知らない相手に秘密を話せるの?どうしてあなたはこうも運命的なの?
感嘆を受けるどころか、心の奥底に閉まっておいた嬉しさが込み上げてしまう。無意識に頬が吊り上がってしまう。
私はニコリと笑っていた。
カノンちゃんの意を決した告白を無下にするかのように。
「そう。それは私も同感だわ!」
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