第3話 3契約交渉
満面の笑みの織多さんを前にそれとなく、今後の探索の方針を聞いてみることにした。
「織多さんは、どんな感じで探索をすすめていきますか?」
アイスの美味しさの余韻に浸っているのか、まず、関係ないことを語る織多さん。
「このアイス、ラクトじゃないっー。乳製品100%ポイですよー。
あっ、えっと、探索ですね。この世界の状況にもよりますが、植物採取を中心にする予定です。まー植物の研究が主なところですので。地味ですから、企業さんは多分、ご一緒しないかと思いますよ。ですから、基本、ちょっと怖いですが、独り行動ですかね」
ワンダーランド社は、弱小商社のため、大手企業と行動を共にした場合、対等な探索契約は結べず、吸収合併化されて、発見の残りかす程度しか得られないだろう。参加リストによると中小企業は4社程度で、単独参加は6名であった。
先ほどの戦闘で、死亡者が出ており、彼女が単独活動に不安を感じているように加賀見には思えた。もう少し、慎重になるべきかと思いつつも、このタイミングを好機到来と信じて、織多さんを探索に誘ってみることとした。
「織多さん、よければ、探索をご一緒して頂けませんか?織多さんの笑顔と先ほどの戦闘能力は、非常に探索の助けとなりますので。私も織多さんへ探索中の充実した食事の提供やワンダーランド社の強みであります警戒アイテムをご提供することができます。
契約内容に関しましては、お打合せ後、私、加賀見が作成いたします。どうでしょう?ご一考して頂けないでしょうか?」
きょとんとした顔で、返答に困っている織多さん。しばらくして、やっと一言。
「笑顔って一体」
そこかと思いつつ、攻めの姿勢で押すしかないと加賀見は、判断し、笑顔のフレーズに
焦点を当て、続けることにした。
「探索中の笑顔は大切ですよ。場がそれだけで、和みますし、リラックスして、色んな物事に対応できますよ。織多さんの笑顔にはそれだけの価値があります」
押しの一手にお腹を抱えて笑っている織田さんを見て、加賀見は、契約できそそうだと判断した。
「加賀見さん、よくそんなにペラペラと話せますねー。もしかして、副業でホストとかやっていませんか?
契約書とか見たことも書いたこともありませんので、すみませんが、一度、書いてきてくれませんか?それを読んで色々と話したいと思います。あんまり、関係ないですが、社会人の方ですと、敬語の使い方がなんというか上手ですね」
「わかりました、ひな形を作ってきますので、それを基に正式な契約書を作成しましょう」
右手で、彼女と握手を交わしつつ、加賀見は思った。この娘、結構、握力強いな。
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