第2話 俺が異世界転移する場合のステータス説明は全部英語らしい
「えっと、このDigital Paint Toolって、デジタルカラーボックスの事だよな?」
俺は空中に浮かんだ「Your Skill:Digital Paint Tool」という英文をタッチした。
そうすると、デジタルカラーボックスの作業用画面が表示される。
ツール、サブツール、メインビュー、サブビュー、レイヤー、絵の資料、カラーパレットなど、見慣れた画面がそこにはある。
「ペンタブとパソコンと板タブと液タブもついていればいいのにな。」
俺は作業用画面の近くに「Option Device」という項目があるのに気づいた。
それをタッチすると、アイコンの状態でペンタブとパソコンと板タブと液タブが表示された。
試しにペンタブのアイコンをタッチしてみると俺の目の前にペンタブが出現した。
「マジかよ!
これがあればいつでも絵が描ける!」
俺は早速絵を描き始める事にした。
何を描こうかな。
そうだ、この洞窟の中に良いモチーフはないだろうか?
ちょっと探索してみよう。
絵のモチーフを探すために洞窟の中を歩き始める。
洞窟の中は灰色で、天井からは瑠璃色の宝石の結晶のような物が発生している。
壁には緑のコケ、地面は土が剝き出しになっており、いかにもファンタジー作品に登場するダンジョンのようなところだった。
何か良いモチーフはないだろうか?
風景画は苦手だから人物画か静物画か動物の絵を描きたい。
しばらく歩いていると、何かが鳴く音が聞こえてきた。
ヒュウ、ヒュウと、何かを呼ぶような、悲しい声。
「何の声だろう?」
急いで声の聞こえる場所へと向かう。
そこには、ドラゴンの亡骸と、息も絶え絶えで絶命寸前のペガサスがいる。
ペガサスの体にはドラゴンから噛まれたような痕が複数あり、そこから大量の赤い血液が流れている。
ペガサスの命は風前の灯火といったところだった。
「おい、大丈夫か?」
俺はペガサスに声をかけてみる。
「ひどいケガだな。
俺じゃ対処できない。」
ここには俺以外に人はいないのだろうか。
「誰がいるか探してみる!」
俺はペガサスに声をかけてから洞窟内を駆け回った。
洞窟の中には、俺と同じ人らしき者の気配はない。
洞窟を通るたびにスライムが「ようこそエーテルの里へ」という挨拶をしてくる。
俺以外に人間らしき人はいなかった。
どうすりゃいいんだこの状況。
俺にはヒールなんていう治癒魔法は使えない。
俺にできるのは絵を描く事だけ。
俺は空中に浮かぶ「Digital Paint Tool」という表示を見つめて、溜息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます