7頁 立て看板
僕は公園を散歩していた。
そこに小さな『立て看板』が有った。
『公園の芝生の中には入らないで下さい』
僕はその地区を占有している閻魔(エンマ)コオロギさんに聞いてみた。
すると昨夜また、三匹のオカメコオロギさんが肩から籠を下げ、網を持った『ロシアの少年兵』の捕虜になったそうだ。
コレで五十匹のコオロギさん達が、夜な夜なやって来る懐中電灯を持った少年兵の捕虜になってしまったそうだ。
コオロギさん達は、
「ここは僕達の土地です」
と怒っていた。
そして、お祭りの夜の事を話してくれた。
例のロシアの少年兵が、数発の花火を僕達の広場に投げ込んで行ったと言う。
みんな草葉の陰から息を殺して、少年兵の去って行くのを覗いていた。
ただ、三匹のキリギリスさんだけは笹の葉の上で大声で喋っていた。
その中の一匹は片脚が無いそうだ。
「そのキリギリスさんは残虐なロシアの少年兵の竹籠からから解放されたヤツだ」
と、キリギリスさんの友達が閻魔コウロギさんに教えてくれた。
解放されたその日から片脚のキリギリスさんは精神に異常をきたし、昼夜『大声』で怒りをぶつけているらしい。
だからコウロギさん達は、このキリギリスさんの周りには近付かない。
喋り声を聞いてロシアの少年狙撃兵が、殺虫剤攻撃をかけて来るらしい。
仕方がなく昨晩、閻魔コオロギさん達は仲間と一緒にこの看板を立てたと言う。
『公園の芝生の中には入らないで下さい』
翌日、八匹の田圃(タンボ)コオロギさんの遺体が看板の周りに放置されていた。
ヤッタのは肩から籠を下げた、『ロシアの少年憲兵』だとキリギリスさんは言っていた。
・・・あまりにも戦慄的な看板じゃないですか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます