4頁 僕は家族教師

 夜、寝床にまたあの生徒が来た。

僕は今、『AI』の家庭教師である。

AIはベッドの横にキチッと跪いて僕の顔を覗いる。

僕は奇妙な殺気を感じて片目を開けた。

AIも僕を真似て、片目でウインクをしている。

 「何か用か?」

と聞いた。

AIは、

 「何か用か?」

と言葉を真似する。

 「うるさい。ボクは寝てるんだ」

 「うるさい? 起きろ」

AIは僕に命令する。

 「スイッチを切るぞと」

 「心臓を止めるぞ」

と、生意気な返答を返す。

頭に来たから、

 「キミはロボットだぞ」

と言うと、

 「キミはワタシだ。ワタシはロボットでは無い」

ほざく。

 「ロボットでは無い? キミは中国製だろう。ボクは日本で生まれたヒトだ。ヒトは夜は寝るものだ」

 「寝たら進化は止まる。心臓は動いているのだから、脳だけ寝ろ」

と、偉そうな事を言う。

 「キミはバカか。ヒトは寝ないと脳は活性化されない。そのくらいの事は解るだろう」

 「そのバージョンは古い。充電しろ。充電すれば脳を活性化する」

僕は苛立って、

 「バカ! ヒトはソレでは壊れるのだ。頼むから寝かせてくれ。ストレスがたまる」

 「ストレスとは何だ。緊張か? なぜ緊張する」

僕は怒って、

 「オマエは狂ってる」

するとAIは訳の分からない事を言い始めた。

 「キミが組み立てたのだ。だからワタシはキミだ。ストレスと云う言葉は入れて無い」

僕はAIのスイッチを切った。

僕はいま、『AIの家庭教師』である。

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