5頁 TOEIC

 ここは王立の「生き物研究所」である。

今日は待ちに待った『TOEICの試験日』だ。

コレにパスしないと研究室の修習生には成れない。

僕は三回目の挑戦だ。

他の挑戦者達も研究所の一廓にある体育館に集まって、参考書を開いて最後の勉強をしている。

『今度こそ』は落ちるわけには行かない。


 1限目の試験は『カラス語』。

 2時限目は『ネコ語』。

 3時限目は『アリ語』。


午前の部はこれで終わり。

そして午後一番で、


  『ワニ語』。


カラス語の偏差値は60。

ネコ語は30。

アリ語は90。

ワニ語の偏差値は出てない。


『ネコ語』は、いつもヨシコ(野良ネコ)と話しているから自信が有る。


『カラス語』も電柱に止まっているヨシオ(カラス)の話しが解るから大丈夫だ。

ヨシオは頭が良い。

最近、カラスのくせにイヌ言を習得した。

「ワンワン」とうるさい。

『アリ語』と『ワニ語』は難解だ。

なにしろ日本にはワニは居ない。

デパートの動物売り場でワニと話しをしていたら販売員に叱られた。

アリは三匹、ビンに入れて毎日話し掛けている。

全く通じない。

アリ達はいつも三匹、集まって触覚で話しをしている。

僕には触覚が無い。

爪楊枝でアリの触覚を触ったら、先を齧られた。

家庭教師にアリとの会話の仕方を聞いたが笑って居るばかりで教えてくれない。

 中々、試験結果の通知が来ないので、研究所に電話をしてみた。

ネコ語、カラス語の成績は抜群だが、やはりアリ語とワニ語は再試験に挑戦してくれとの事だ。

今、研究所ではワニと会話出来る人を至急探しているらしい。

どこの予備校に行ったら良いか分からない。

アマゾンの原住民はワニやアリと話しをしていると聞いた事が有る。

一応、春のアマゾンのパレイドリア人予備校に参加の手続きをした。

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