第3話 📹5人の仲良し幼なじみ
葵ちゃんの話が終わって、私は回していたカメラを止める。
地下に続く扉が、実はオバケの口だった。
今まで聞いたことのないタイプの話だったけど、怖かったなあ。
それともう一つ、聞いてて思ったのが……。
「話の中に出てきた5人……なんだか、私達みたいだったね」
そう言った瞬間、葵ちゃんと悠真くんの肩がピクリと動いた。
「……そうだな。あんなことさえなければ、今だって5人で動画を撮ってたんだろうなあ」
「そうね。怜も翔も、コンテストで入選するんだって言って、張り切ってたし」
声が暗くなって、空気が沈んでいく。
怜くんというのは私達より2つ年上の、翔くんは1つ年上の、動画研究部の先輩。
だけど2人とは、中学に入るよりもっと前からの付き合いだったの。
私と葵ちゃんと悠真くん、それに怜くんと翔くんの5人は、小さい頃から仲の良かった幼なじみ。
怜くんと翔くんは学年は違ったけど、よく一緒になって遊んでたの。
知り合ったきっかけは、私達の親同士が仲が良かったから。
実はこの5人のお父さん、もしくはお母さんがみんなこの中学の卒業生で、当時からとても仲良しだったんだって。
卒業して、大人になってからも交流は続いていて、その影響で子供の私達も仲良くなったんだよね。
何度も5人一緒に遊んで、私達は本当に仲良しだったなあ。
実は動画研究部に入ったのも、怜くんに誘われたからなんだよね。
そもそも動画研究部自体、みんなのリーダーだった怜くんが去年、翔くんと一緒に立ち上げたものなんだよ。
その時はたった2人の部活だったけど、次の春に私達が入学すると、怜くんが声をかけてきたの。
「部員を増やしたいから、動画研究部に入ってくれ」って。
こうして幼なじみ5人による、動画研究部が誕生したってわけ。
最初私は、動画なんてどうやって作るかもわからなかったけど、それでもみんなで撮る動画は楽しかった。
定番の『歌ってみた』とか『踊ってみた』の動画を撮ったこともあったし、校内をうろつく猫を追いかけて、撮影したこともあったっけ。
あの頃は、色んな動画を撮っていたなあ。
けど今撮るのといえば、怪談朗読ばかり。
そして何より、怜くんと翔くんはもういない。
あんなことがあって、2人ともいなくなってしまったから……。
「怜くん……翔くん……」
2人の名前が、口からこぼれる。
葵ちゃんも悠真くんも2人のことを思い出しているのかしばらく黙っていたけど、やがて悠真くんが言う。
「さあ、とっとと次の話をしようぜ。今度は俺が話す」
暗くなった雰囲気を変えるような明るい声。
まあ、今から怖い話をするのに、明るくするのも変なんだけどね。
私は苦笑いをしながら、悠真くんにカメラを向けた。
「準備できたよ。それじゃあ、お願いね」
「おう、任せろ」
カメラの画面には、身バレを防ぐために頭から下だけが映ってる。
悠真くんは、「これは友達から聞いた話なんだけどな」と前置きをして、話し始めた……。
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