第5話 初めての戦闘 その二の巻
俺は
元の世界では知る人ぞ知る売れっ子の俳優だった。
世の中ではAV男優とも汁男優とも呼ばれる職業で、忌避する者も居たが、それなりの誇りを持ち仕事に邁進していた。
AVと言えば女優の方がメインで、AV女優と呼ぶのはセクハラで、今やセクシー女優と呼ばないといけない程の世界である。
男はAV男優と普通に呼ばれるのにこれって差別じゃね?
まぁそんな問題はどうでもいい。
そんな業界の中、芸名としてゴブリン武と名乗り、人気シリーズのゴブリンシリーズは異世界風AVとしてのジャンルを確立し、その主演を務める程に俺の人気はあった。
AVと言えば女性が主演の中、異例中の異例と呼ぶに相応しい功績だ。
最新作『ゴブリンと七人の魔女』も好評であった。
内容は七人の魔女との壮絶な複数プレイで・・・おっと、気になるならご購入宜しく!!
そんな俺は丁度次回作『逆ゴブリンスレイヤー』を取り終えて帰宅途中に事故に合いこの異世界へと誘われた。
『逆ゴブリンスレイヤー』はゴブリンキングとして俺が登場し冒険者の女どもをチョメチョメするという作品で、手下のゴブリンどもを一般公募で選ばれたパンピーが参加するというゴブリンシリーズ初の試みの作品だった。
俺は異世界に来てしまったし、あれが俺の遺作になるのか?
元の世界ではそういった形で爪跡を残したし、惜しまれつつ業界を去る形となってしまうことになるのだろうな・・・
おっと、今は森に来てストライクラビットという見た目は可愛いが野球の投手が投げる剛速球の様に俺たち目掛けて跳んで来るモンスターとの戦闘中だ。
「グハッ!!」
初めての戦闘開始直後、俺はその一匹の兎の体当たりをもろに受け、吹き飛ばされた。
ドッチボールのボール位の大きさなのに人間を数メートル吹き飛ばすとかどんだけだよ!!
だが、おかしい。
それだけの攻撃を受けたというのに俺は不思議とピンピンしている。
姫ちゃんのビンタでは生死の境を彷徨ったというのに・・・
いや、姫ちゃんの攻撃力が凄まじいのは解る。
だが、姫ちゃん曰く相当手加減したビンタだったという。
本気出したら爆散していたとか言われたが・・・
まぁそれは置いておこうか。
痛すぎて悶絶し、少しだけ下の体液が飛び散ったが、これは仕方ない。
固形物が飛び出さなかっただけ俺の尊厳が守られたと言えよう。
だが、そこで変化が起こった。
戦闘中の兎の様子が変だ。
「ウサ~」
兎が俺をジッと見詰めて来ている様な気がする。
その時、頭の中に謎の声が響く。
『モンスターが仲間になりたそうに此方を見ています』
あれ?これなんかで見たことあるぞ?
先程まで俺に飛び掛かって来ていた兎が静止しているのが不思議だ。
俺は兎に声を掛け、手を差し伸べる。
「仲間になるか?」
「ウサ!!」
そしてまた、頭の中に謎の声が響く。
『ストライクラビットが仲間になりました。個体名の登録をしてください。』
名前?どういう事だ?
俺が考え込んでいると、頭の中に情報が流れ込んで来た。
~~~~~
種付け:スキル所持者の体液で異性の好感度を上げる。モンスターに使用した場合はティム出来ることもある。生命に根源を持つ体液は効果倍増。
~~~~~
何と!そういう事か!!
という事は目の前の兎は雌という事で、スキルの効果でティムしたのだろう。
「よし!お前の名は【ウサ美】だ!!」
「ウサ~♪」
どうやら気に入ってくれたようだ。
その直後、また頭に謎の声。
『獣魔登録が完了しました。(1/5)』
何の事か何となく理解できる。
ステイタスを開き、確認すると、そこにはやはり情報が追加されていた。
~~~~~~
タケミチ・クレ(呉武倫)
コードネーム:ゴブタケ
職業:種付けおじさん
LV:1
スキル:種付け
獣魔(1/5):ウサ美(ストライクラビット)
~~~~~~
その後、相棒のウサ美と共にストライクラビットを次々に倒し、LV:2に至った。
後で知る事になるが、ひき子のスキル:引籠りは任意の場所に畳一畳ほどの謎の異空間を造り出す事がらしい。
その異空間はスキル所持者に敵意ある者の侵入を拒む機能もあるらしく、そこに引籠ったひき子はその中からチクチクと兎に攻撃をして安全に討伐数を稼いでいた。
社畜はPTメンバーの中では討伐に一番苦労していた様に見えるが、その討伐の様子を見れば違和感がある。
俺は腹に兎の一撃を食らっただけで人前で出してはいけない味噌が飛び出しそうになる程の衝撃を受けたというのに何度も何度も攻撃を受けても立ち上がって戦闘を続けている。
兎の方が体力が尽き動けなくなった所を社畜は攻撃して倒していた。
後から社畜に確認したスキルの内容であるが、彼の持つスキル:残業はゲーム的に言えばタフネスとかそういった感じのもので、防御・体力・その他の能力アップの常時発動のスキルらしい。
戦闘後に社畜が「これなら365日残業も大丈夫!!」と叫んでいたが、社畜根性が凄過ぎてドン引きだったぜ。
流石は職業が会社の犬になるはずだ。
そういった感じで俺たちはスキルの確認と共にLVを上げた。
勇者の事を忘れてないかだと?
ああ・・・いたな~そんな奴。
ポンコツはバッシュと言う攻撃時に攻撃速度を上げるという平凡なスキルを多用して兎を斬り付けて倒して居た様だぞ。
普通過ぎて見てても面白くないから忘れてたわ。
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