5 エピローグ

その夜、自然死と思われる貴族の遺体のドレスシャツから、油まみれの紙が発見された。それは王家の紋章が透かし模様で入っている上質な紙だった。


すぐに国王に報告がなされ、スパルタコからの情報提供によりその貴族の悪事は暴かれた。と、同時にスパルタコの直接関与も公表された。


民たちは熱狂した。悪を懲らしめる正義の味方。平民を守る救世主。欲望まみれの貴族を成敗してくれる英雄。女たちからは教会に描かれた麗しい大天使、そのものと賞賛される始末。路地裏では子どもが目を輝かせ、英雄スパルタコの顔を地面に落書きする。


そして、悪事に手を染めている貴族は、彼を王家の狂犬と呼んだ。夜会でその名を出すだけで空気が重くなり、杯を持つ手が震える者もいたのだった。




 完


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悪を極めたいのに救世主扱いされるのだが? 青空一夏 @sachimaru

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