第十四回:深夜の抜き打ち検査! 先生の愛はムチよりも痛い

ジャグジーの湯気に包まれ、桜・美雪・白鳥の三人に「物理的に」揉みくちゃにされていた俺。 だが、そのカオスな空間を切り裂くように、バスルームのドアが**「ガチャリ」**と音を立てて開いた。


「あらあら……。ずいぶん楽しそうな『補習』をしているわね、あなたたち」


現れたのは、黒色のレースがあしらわれた、殺傷能力の高すぎるバスローブを羽織った黒井先生だった。手には予備のマスターキーがキラリと光っている。


「「「せ、先生!?」」」 三人が一斉に俺を水中に沈めて隠そうとする。


「ごぼごぼごぼっ!!(死ぬ、溺れ死ぬ!)」


「隠しても無駄よ。センサーに反応があったわ。この部屋の熱気……明らかに定員オーバー、そして『不純な異物』が混じっている匂いがするわね」


黒井先生は悠然と湯船の縁に腰掛けると、長い脚を組んで俺を見下ろした。 「悠真くん。もう『悠美ちゃん』のフリはしなくていいわ。……さあ、そこから出てきなさい。先生が直々に、女子寮の『裏の校則』を教えてあげる」


(バレてる! 完全にバレてるけど、それ以上に先生の格好がヤバい!)


「先生、彼は私たちの管理下にあります。寮監といえど、手出しは無用ですわ」 桜が水の中から立ち上がり(もちろんタオル一枚で)、先生を鋭く睨みつける。


「そうです。悠真さんの穢れを払えるのは、巫女である私だけです」 美雪も、濡れた髪をかき上げながら加勢する。


「あはは! 先生も先輩を『作品』にしたいの? でも、先輩のモデル契約は私が独占してるんだからね!」 白鳥が湯船の中から水鉄砲で先生を威嚇する。


「ふふ……。なら、実力で行使するしかないわね」 黒井先生がバスローブのポケットから取り出したのは、なんと**「業務用のアロマ・スプレー」**。


「これね、吸い込むとしばらくの間、体が動かなくなる特製のアロマなの。……おやすみなさい、お転婆さんたち」


シュッ、と霧が舞った瞬間、桜たちが「あ……体が……」と、スローモーションで湯船の中に沈んでいく。


「ちょっ、お前ら! 起きろ! 俺を一人にするな!」


静まり返ったバスルーム。残されたのは、湯船で身動きが取れなくなった俺と、妖しく微笑む黒井先生だけ。


「さて……。邪魔者は眠ったわ。悠真くん、あなたには特別な『個別指導』が必要みたいね」


先生がゆっくりと湯船に足を踏み入れる。 「女子寮に潜入した罪……体でしっかり、清算してもらうわよ?」


先生の手が俺の頬に触れたその時、俺の脳裏には「第50話まで持たないかもしれない」という本気のリタイア宣言が浮かんでいた。

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