第十一回:ミスコン本番! ステージは愛の処刑台

カタリナ学園祭、当日。 体育館特設ステージの裏側は、戦場だった。


「いい、悠真くん。……いえ、悠美さん。このボタンを押せば、あなたの背中から『生徒会特製・自動追尾型天使の羽』が展開されるわ。これで会場中の視線を独占しなさい」 桜が、改造に改造を重ねた重さ10キロはある「衣装」を俺に着せつける。


「不浄な視線を浴びすぎないよう、この特製ヴェールに強力な催涙ガスを仕込んでおきました。ピンチの時はこれを使って、神の裁き(物理)を下してください」 美雪が、清らかな笑顔でとんでもない兵器を渡してくる。


「あはは! 大丈夫だよ! 私がステージの地下に大量の爆竹仕掛けといたから! 最高のタイミングでドカンといくよ!」 白鳥は火薬の匂いをさせながら親指を立てた。


(どいつもこいつも、ミスコンをなんだと思ってるんだ!)


悪夢のステージ、開幕

「エントリーナンバー1番! 彗星のごとく現れた謎の美少女、一条悠美ちゃんです!」


司会の絶叫と共に、俺はステージ中央へ押し出された。 スポットライトが眩しい。数千人の観客の視線が、俺のミニスカート……と、その下の「絶対にバレてはいけない秘密」に集中する。


「お、おおお……! マジで天使だ!」 「悠美ちゃーん! こっち向いてー!」


会場は地鳴りのような大歓声。その最前列では、桜、美雪、白鳥の三人が、「悠美・命」と書かれた血文字のような特攻服を着て、恐ろしい形相で観客を威嚇していた。


「……私の悠美に指を指す奴は、後で生徒会室に来なさい」 桜の低い声がマイク越しに漏れ、会場が一瞬で凍りつく。


黒井先生の「最終審査」

そんな中、審査員席の黒井先生がゆっくりと立ち上がった。


「……素晴らしいわ、悠美ちゃん。でも、見た目だけじゃ本物の『ミス・カタリナ』とは言えない。最後は、あなたの**『乙女としての純粋さ』**をテストさせてもらうわ」


(テスト……? 何をする気だ!?)


黒井先生が持ってきたのは、なんと一台の**「嘘発見器」と、一本の「超強力な電気あんま器」**だった。


「今から私が質問するわ。もし嘘をついたり、体が過剰に反応したら……即、失格よ。……いいかしら?」


先生の目が、獲物を狙う蛇のように細められる。


「第一問。……一条悠美。あなたは、今この瞬間、男に抱かれたいと思っている?」


(ブッッッ!!! 何を言ってるんだこの教師は!!)


俺は顔を真っ赤にして裏声を絞り出す。 「そ、そんなこと……思ってませんぅ……!」


ピーーーッ!!!


嘘発見器が無慈悲な音を立てる。 「あら……。嘘をついたわね? もしかして、あなた……**『自分自身の正体』**に興奮しているのかしら?」


黒井先生が、ニヤリと笑って電気あんま器のスイッチを入れた。


「ひゃああああっ! 待て、そこは……そこは不味いって!!」


電気の振動が俺の「詰め物」を直撃し、ドレスの中で何かが激しくズレ始めた。

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