第五回:爆誕、美少女・悠美ちゃん!? 屈辱のメイクアップ

「……冗談だろ? 俺が女装なんて、無理に決まってるだろ!」


俺、悠真(ゆうま)の叫びは、防音性の高い白鳥の部屋に虚しく響いた。 目の前には、やる気満々の三人のヤンデレ美少女。


「いいえ、悠真くん。これは『生存戦略』よ」 桜が、プロ仕様のメイクボックスを広げながら、冷徹な目で俺の顔を査定する。「寮監の黒井先生は鼻が利くわ。あなたが『男』のままでここにいれば、いつか必ずバレる。でも、あなたが完璧な『女の子』になれば……私の部屋に堂々と連れ込めるわ」


(後半の本音が怖すぎるんだよ!)


「さあ、悠真さん。まずはその穢れた……失礼、男性的な眉毛を整えましょう」 美雪が、笑顔で鋭利なカミソリをチャキリと鳴らした。「大丈夫です。私の手先は器用ですから、耳を切り落とすようなことはありません……たぶん」


「あはは! 先輩の顔、キャンバスにしてあげるね!」 白鳥はどこから持ってきたのか、超高級なウィッグと、フリルがこれでもかと付いた**「地雷系女子」風の制服**を抱えていた。


「やめろ! 離せ! 俺のプライドが――」


三人がかりで椅子に縛り付けられ、俺の顔に次々と化粧品が塗りたくられていく。 桜がアイラインを引き(「動いたら目に刺さるわよ」)、美雪がファンデーションを叩き込み、白鳥が唇に真っ赤なグロスを塗っていく。


一時間後。


「……できたわ。完璧ね」 桜が鏡を俺の前に突き出した。


鏡の中にいたのは、どこからどう見ても**「少し背の高い、可憐でミステリアスな美少女」**だった。


「……誰だ、これ」


「今日からあなたは、私の親戚の**『一条 悠美(ゆみ)』**ちゃんよ。学園には、私と桜さんの権力を使って、急遽編入してきたことにするわ」 美雪が満足げに頷く。


「ゆーちゃん、超絶可愛い! あーあ、もう本物の先輩なんていらないかも。ずっとこのまま飾っておきたいな!」 白鳥がカッターで俺のスカートの裾を「もっと短くしてあげる」と切り刻み始めた。


その時、またしてもドアの外から黒井先生の声がした。


「白鳥さん、さっきの不審者は見失ったわ。……って、あら? その子は誰?」


ドアが開き、黒井先生が部屋に入ってくる。 俺は心臓が止まりそうになりながら、三人に教え込まれた通りの「裏声」で答えた。


「は、初めましてぇ……。今日から、お世話になりますぅ……一条悠美ですぅ……」


黒井先生は眼鏡を指で押し上げ、じりじりと俺に顔を近づけた。 先生の鼻が、俺の首筋の匂いを嗅ぐ。


「……ふーん。新人さんね。なんだか、凄くいい匂いがするわね、あなた。まるでお菓子のような……」


先生の手が、俺の太ももに伸びる。


(やばい! 筋肉質な脚でバレる――!?)

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