冬が自然や都市や人心を等しく侵食していく感覚の濃さに驚かされると思います。賢治や能装束など文化の記憶と特売の幟やQRコードといった現代が並べて置かれることで、時間の軸がよくわからなくなるのがすごく素敵だと思いました。この作品の中では、寒さは単なる気候ではなく、倫理や孤独、地球の老いまでを照らす媒介として働いています。なので、終盤の「春近し」が温かく感じられます。
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