第2話 生まれ変わったら村人A
意識を取り戻した時、
僕はクワで畑を耕していた。
ここは病院でなく、ある王国の小村だ。
なにを言っているのかとは思うけど・・・
とにかく! 僕は!
村人Aとして生まれ変わった!
・・・訳がわからないな。
どうしよう、この状況???
「聞こえますか? 私の声が聞こえたなら、どうか返事をしてください・・・」
混乱したあげく、幻聴が聞こえてきた。
女の声だ。嫌になる。
頭を振って、変な幻聴を振り払う。
「あ、あの、返事をしてくれませんか?」
聞こえない。なんにも聞こえない。
その後も幻聴は続いた。
無視して畑を耕していると、
しびれを切らした女が自己紹介を始める。
「私は女神です! あなたは今、私が作ったゲーム世界で生きているのです! は、話を聞いてもらえませんか?」
ゲームの世界・・・
むちゃくちゃな話だと思いつつ、心当たりがないわけでもない。
変質者に刺されて僕は死んだはずだ。
ここが死後の世界なのだとすれば・・・
「死後の世界って、ゲーム世界なの?
冥界って、デジタルなんだね?」
「ええ、はい、その通りです!
返事をしてくれてありがとう!
本当にありがとうございます!」
自称女神の幻聴がなぜか感謝してくれた。
無視しすぎたかな? まあいいかな?
「さっきは助けてくれてありがとう。あなたが・・・あなたが身を捨てて守ってくれたおかげで、私は無事に生きています」
「いきなりなんの話?」
「た、助けてくれたでしょう? さっき! 公園で! 絶対に覚えてますよね!?」
さっき、女神を助けてた覚えはないけど、
お姉さんをかばって刺された記憶はある。
というか、ひょっとしてこの人・・・
「さっきのお姉さん?」
「そうです! 私はこの世界を作った女神です。あなたは私の命の恩人ですよ!」
事実は小説より奇なり、かな?
大げさな・・・と思いつつ、
「どういたしまして」と笑っておく。
「どうか助けてくれたお礼をさせてください。
あなたの名前を教えてくれませんか?」
「お礼をもらえるなら、生き返らせてくれる? 神様なんでしょう?」
「え、えっと、そ、それは・・・」
幻聴があきらかに動揺した。
あれ? そんなに難しい要求だったかな?
「それは・・・ごめんなさい・・・無理です。
ですが、あなたがこの世界で暮らすために、できる限りの手伝いをさせてください!
あなたの名前を聞かせて?」
(生き返らせるのは無理か。
ルールがあるなら神様も大変だな・・・)
ずっと謝り通しの女神さまに同情して、僕は少しだけ自分の心を落ち着けた。
自分が死んだと改めて認めるのはショックだけど、現実逃避をしても仕方ないか。
でも宿題をしなくてよいなら、
ゲーム世界も悪くないかな?
「
「レイジくん、ですね。
教えてくれてありがとう。
あなたの名前は絶対に忘れません。
あなたのために女神をがんばります!」
「どういたしまして・・・ところで、ここがゲームの世界なら、どんな世界なのか教えてくれない? ジャンルは? 魔法とか使えるの?」
オープンワールドみたいな感じ?
MMOは遊んだことがないから、ステータスウィンドウみたいな文化はよくわからないけど・・・まあ、追々学んでいこうか。
時間はいくらでもあるよね?
なにしろ、ここは死後の世界なのだから。
「はい、お答えします。
ジャンルはハイファンタジー。
私が自信を持って送り出すゲーム世界です。
つまり、この世界は・・・」
なるほどハイファンタジーか。
エルフがいたり、ドワーフがいたりする。
で、つまり、この世界は?
「とっても楽しいデスゲームです!」
こいつとってもふざけてんのか?
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