自由の革命戦士
白川津 中々
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仕事……クビ!
なんてこったい横領がばれちまった。警察沙汰にならなかったのは幸いだが、これからどうやって生きるか0から考えなくてはならないのだから非常に憂鬱。
率直な話働きたくない。働きたくないが、働かなくては金子を得られないわけで。時間と尊厳を切り売りしなくては生きていけないこの社会構造である。ちくしょう資本主義。自由経済の慣れ果てが自然権の剥奪とはとんだ不自由じゃないか。そら横領したくもなる。
御託を並べても仕方がない。ともかく今日明日を凌ぐための金が必要だ。そこで今回利用するのがスキマバイト紹介サイトである。スマートフォン一つで簡単に単発バイトを入れられるのだから気楽でありがたい。早速登録し物色。居酒屋にて開店準備の案件を確認。これだと思い即タップ。いざ現場へ直行。元気に挨拶「よろしくお願いします」。返される舌打ち。雑な応対。
「時間ないからね。さっさとやってよ。テーブル準備と仕込み。マニュアルあるからそれ見て」
なるほど俺はインスタントの消耗品。立場を理解すると怒りが湧いてきた。法がなければこの店主を殺している。権力を持つ強者が守られ虐げられる弱者が挫かれる司法に果たしてなんの意味があるのか。これは人間社会と歴史の敗北である。奮い上がる炎。戦わねばならぬ。店の準備をするかたわら、邪智暴虐なる店主への報復を決意。ブルジョワを潤すために使い捨てられる人間の命の鮮烈さを知れ。隙をつき徐にレジスターへ。かつてバイトしていた店と同様の型であるからしめたものだ。簡単操作のち、ガシャーンと響いてドロワー展開。中には恐らく入れたばかりであろうレジ金。つまり俺の金だ。
「何やってんだ!」
音を聞きつけた店主が登場。だがもう遅い。労働者の怒りを知れ。
「ど、泥棒!」
金をいただき全力ダッシュ。はるか後方から聞こえる遠吠えが心地よい。俺は自由の革命戦士。プロレタリアートの星となる。
が、すぐに捕まり取調室。
おのれ公僕。次の相手は貴様らだ。
自由の革命戦士 白川津 中々 @taka1212384
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