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ホロバニヤ王国を造る

西に位置するホロン王国と東に位置する帝國のあいだに人跡未踏の高山地帯がある。

ケイは自身の能力のすべてを使ってこの高山地帯に理想の国を作ろうとしている。

まず ケイは三方に高さ二百メートルの岩石質の険峻な山の形に余分な部分を消滅させて 内側には十五キロ四方の平地になるまで山を削りとって消し去った。

三方の正面にあたる方の山を穿ち巨石を後方の山から切り出して仮象によって大門を作った。

大門は二百メートルの峨峨の岩山にあり 凱旋門をさらにモダンに洗練させた古典古代的な装飾を加えた目を惹く美麗な設計にした

大門をくぐると三十メートルのトンネルになっていて有事を想定して油圧器で動かす六十トンの焼き入れした鋼鉄のシャッターを装備した

さらに 後方の山に分水嶺を造り原始林を移動させ その根が溜めている膨大な水で後方の山の麓に川をち造り大門から左手の山がリアス式なっていて川の水が滝になって海に落ちるようにした。

後方の山に貯水池を造り浄水場を造って水を引き水道管をつなげるようにし住宅に水道を設備できるようにした

造成して住宅地区 農業地区 産業地区 商業地区 などの区画を整備し 大型浄化槽を三段にして糞尿処理場を造り水洗トイレを実現することにした

海に面した岩山の岩に海水を引く浅い曹を削ってつくり塩田にした 天日で岩が熱せられ塩化ナトリウムを析出させる ケイが新たに考えた方式だ

食料省で析出した塩に真水を加え釜で一回炊いて振るいにかければ良い塩ができる 味噌や醤油の生産に不可決だった

後方の山々には天然資源も豊富で希少なミスリルやオリファルコン アダマンタイトの鉱床や鉄鉱石 金 銀 銅 ニッケル 粘土層からはネマティック液晶が採取できる

また 半導体製造に必須のシリコンウエハ生産のために また アルコールとグリセリンに加えて樹脂を合成するために必要な試薬の原材料採取のためのケイ素の結晶を多く含んだ地層がある

この世界には油田はなく公害問題からも樹脂の合成はアルコールからの合成の方が望ましかった

銑鉄の生産のためには反射炉のプラント建設が必要だが ケイはネットワークから得た技術資料の記憶に沿って 設計し まず 耐熱タイルを焼く窯から初め 排煙は複流式にして公害対策をした

様々な原材料の生産が整えば仮象の能力を使って二次生産は容易におこなえる

産業区画には燃料用アルコール生産プラント 合成化学プラント 銑鉄炉 製鉄 圧延 自動車用鋼板プラント

などなど

王国の電化のためは水力と風力発電を中心にして補助的には機関発電を考えた これは高性能発電機とゆうことで 具体的には自動車用に設計したV型六機筒三リッターシングルカム エンジンで発電用タービンをダイレクトにドライブするものと バイク用に設計した四百CCツインカムエンジンのものがある

住宅区画には耐久性と高品位化を図り軽量鉄骨工法の三階建の長く老朽化しない住宅を想定し 瞬く間に仮象の異能によって住宅街を出現させた

商業区画にも同じように軽量鉄骨工法の三階建の店舗を設計し華やかな商店街の商業地区を発現させた

王国の宮殿は王国の中央にい位置させ 二十階建のタワーをイメージして静岡県にある高層ホテルを写して外観は鉄骨サッシのミラービルでエントランスを兼ねた つけアトリューム構造にし 地下は四階にして宝物庫や貯蔵庫群に 最上階は全天候空中庭園にすることにした

階数をほどほどにし鉄骨サッシを多用したこのタワーは最も効率よく建設できる高層ビルの設計と言える

農業区画には様々な種苗を集め栽培を予定し 川から水を引き溜池を造り水田での米 うるち米に似た この世界の種の栽培を可能にした

大麦 とうもろこし 大豆 小豆 金時豆 カカオ豆 人参 大根 カボチャ じゃが芋 サツマ芋 玉ねぎ 長ネギ 椎茸

果物はりんご みかん ナシ 葡萄 苺 桃 バナナ パイナップル メロン スイカ に似た種苗が発見された

畜産区画には牛 豚 鶏に似た種が存在しているので 配合飼料によって 肉牛 乳牛の飼育場 養豚場 養鶏場を造った

木材資源の確保のためには木の伐採がしやすい平地に養木場を造った

あとはこの王国の住人をどうするかだったが ホロン王国や帝國の農村地帯では次男 三男坊は 口減しに生活のため冒険者になる者が多い

彼等はろくな装備も持てず かけだし冒険者として命を落とす者が多くいる

まず 彼等を移住者として勧誘することを想定していたが 移住者が多くなってホロン王国やザイヤ帝國が国民の流失を危惧するようになった場合は厄介なことになる

そこで ホロバニヤ王国の存在を隠し 労働者を雇うかたちでの募集を冒険者に依頼して 農村地帯を回ってもらうことにした

このやり方で 鍛冶師 差物師 錬金術師やホーリーライの奇跡を持つ神官などを冒険者に集めさせた

資金元は創造神から貰った 人が財宝と思うものは何でも尽きることなく取り出せる宝箱だ

鍛冶師や錬金術師はケイが機械工学系で仮象させた自動車やバイクなどを実学として すべての部品の具体的生産と組み立てまでを実学書としてまとめ この世界の人材で実際に生産できるようにするために必要だった

車は四駆でロングボディーの大型ワゴン ミッションは運転の楽なオートマにし サイドステップ フロントガードとウインチ スペアタイヤ 二十リッターのリザーブタンクを装備 エンジンはV型六機筒三リッター 燃料は純度七十八パーセントのアルコール仕様 燃料タンクは六十リッター リザーブタンクと合わせると約三百二十キロ走行可能だ

ホロバニヤ王国は端から端まで 歩いて三時間程だが住民の移動の便も考えて同じV型エンジンで日産のコーチを参考にして十八人乗りのバスも設計した

バイクは四百CCツインカエンジンのオフロードに対応できツアーに向いているトレールタイプ オイル交換するフォーサイクル仕様にした

神官は入国に相応しい人物かどうかを判断する事務官として必要だった

差物師は現代日本の服飾文化に基づいて ケイがデザインした服をしたてさせるための人材として育成するつもりだ

研究所で暮らしていたとき いつか自分のブランド これからのスタンダードとしてのニュー オーセンティックを標榜するフォーミュラとゆうブランドで自身でデザインした服を世の中に出してみたいと思っていたが それをこの世界で実現したかった

冒険者に連れられてやってきた労働者たちは その壮大な門を見て驚きの声をあげる

「いつ こんな大門ができたんだ」

「なんとも言いようのない 美しい門だ」

「まさか 迷宮?」

「依頼主の地図で見ると ここで間違いないようだ」

「ギルドに新しい迷宮出現の報告は聞いていないよな」

「金貨四百枚の依頼だぜ」

「命は?」

「迷宮の攻略のために労働者を雇うことはないだろ 万が一迷宮だったとしても 発見者として高額の報酬がギルドから出るし とりあえず先に進んでみるのがいいだろう」

冒険者と労働者たちは 恐る恐る三十メートルのトンネルを進んでいく トンネル抜けると

「これは街か?」

遠くに巨大な鏡のように光輝く高く聳える構造物が目を惹いた

彼等の前にいつのまにかケイが立っている

「よく来てくれましたね わたしが依頼者です 怪しい者ではありません」といって 冒険者証を出してみせた

「Aランク!だとすれば ソロでゴルドラの迷宮百層の攻略に成功した あなたが英雄ケイか!」

ケイは軽く頷いてから

「あの鏡のような高い建物がわたしの住まいです そちらで 詳しい話しをしましょう」

応接間にて まず 冒険者の依頼書に依頼完了のサインをした

冒険者のリーダーが

「我々も一緒に話しを聞いても構いませんか」

ケイは頷き

「では ここでしていただきたい仕事について 説明しましょう 端的に話せば わたしはここに 理想の国家ホロバニヤを建国するつもりです まず ホロバニヤでは国民から税金は取りません 国民の階級はなく農民 商人 貴族などの区別はなく 国民は八つの省と呼ぶ 役所に所属して たとえば農業に従事する人は自分の畑を耕すのとは違い多人数で国の畑を耕し 役所の職員として給料を毎月最低でも金貨四枚を受け取ることができます 仕事用の服も役所から支給されます 住宅も高品位な住宅を月 銀貨四枚で借りられ 食料品も役所の直営の店で様々な食材を安く提供します 移住を決めた方はすべての支払いを三か月免除します」

労働者たちは皆口減らしで家に居ずらい者たちばかりなので 英雄ケイが保証する話しなら乗ってみるのも悪くないと皆んな移住を申しでた

冒険者が

「ホロン王国やザイヤ帝國からの移住者が多くなると干渉を受けませんかね 場合によっては戦争という事態もありうる」

「防衛にも充分配慮しています 門は六十トンの鋼鉄の扉で塞ぐことができ 侵入口はこの門のトンネル以外まったくありません 食料もすべて自給できますし どんな大兵を送っても攻め落とすことはできないでしょう それに これから 軍隊ではありませんが 新しい技術の兵器を装備した警備隊と近衛親衛隊をつくる予定です さらに これからはトンネルを入国管理所を通らないと入国できない仕組みに改めて 入国管理事務官にはホーリーライの奇跡を持った神官を採用して入国に相応しくないものは通さないようにするつもりです」

労働者たちもケイの話しにおおいに感心して

「ケイさんを信じて どこまでもついて行きますよ」

噂はひろがって移住希望者はあっとゆうまに数千人にたっした

住民は農林省 産業省 建設省 食料省 防衛省 厚生省 大蔵省 教育省 の八つの省の職員に適正をみて配属し 各省の部局での仕事に従事する

各省には奇跡ホーリーライをもつ巫女を事務官として配属し ケイが会議に召集して各省の状況を報告させるようにした

輸送には魔法がある異世界ならではの方式を採用して ミーナモの地脈があるので 高価な魔具の生産が可能であり魔具を造るスキルを持った魔法使いを招請し品位の良いマジックバックを量産して住民に皆装備することにした

マジックバックの中では微生物がつきようもないので物が腐ることもないので この世界の物流の効率は極めて高い

住民も増え人材も豊富になった

入国管理所も建設が終わり 管理所を通らなくては入国できない構造となり入出国の神官職の管理官も配属できた

住民同志で婚姻するものも多くなり 郷里から家族を呼ぶ者も多くなった

出産する者も多くなってきたので厚生省に部局を設け産科病院を造り助産婦を養成して妊婦の出産を助けるように整備した

ホロン王国もザイヤ帝国もついに国民の流失を懸念してホロバニヤ移住のための出国を禁止する処置をとるようになった

両国が間者を忍びこませようとしても入管の神官の審査でまず侵入は不可能だろうし 難攻不落の王城とゆう認識は両国とも もっている

ケイが存在している限り戦争の心配などなかったが 万が一自分がいなくなった時のことも考え武器の設計をすることにした

ハンドガンはデータベースでみたS &WのPC三五六の資料をもとに設計をすることにした この銃は人間工学を取り入れて マガジンの交換がしやすい構造をしている

サイトも大型で見やすい 外皮の硬い魔獣を考慮して威力のある口径十ミリ 装弾数十二発の徹甲弾仕様にした

警備隊と近衛親衛隊の標準の武器としてアサルトライフルを想定した

八九式をベースにしてマウントベースから二十ミリのレール仕様に変更してフロント リアサイトをともにレール取り付け式にして オリジナルのクロスピープ式とした

このサイトはフロントのセンターのでっぱりにT字型に水平に補助のでっぱりが両端についている リアのピープには水平の両端が切り欠きになっていてフロントの両端のでっぱりをこの切り欠きに合わせることによってより正確に標的を狙うことができる

フォアグリップの三面もレール仕様にして補助グリップとフラッシュライトを取り付けた

フラッシュライトは目眩しのストロボに切り替えができる設計になっている

マガジンの装弾数三十九発で貫通力を重視して徹甲弾仕様にした

システム化により高倍率スコープとより機動力を発揮するオープンタイプのドットサイトも併せて仮象によって造った

より威力を必要とする状況に対応するライフルとしてはM十四をベースにした徹甲弾仕様のバトルライフルを仮象によって造った

魔法防御に対してショットガンの破壊力も有効性があると考え スワット仕様のM三をベースに徹甲弾の散弾と一発弾のスラッグ弾を用意した

さらにドラゴン級の魔物を想定して徹甲弾仕様の高倍率スコープ装着の五十口径の大口径ボルトアクションライフルに 四連グレネード フラッシュバーン 手榴弾も造った。

警備隊の防具はミスリル製のフリッツヘルメットにミスリルの鎖帷子を仕込んだ タクティカルベストそれに黒のBDUとコンバットブーツを合わせた

アダマンタイト製のライオットシールドも造った

警備隊員はマジックバックをもっているので すべての武器と予備弾薬を使うことができる また 野営の用具もすべてバックに入れている

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超能力者の異世界転移 門月影丸 @yuiti001

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