第2話
薄れゆく意識の中で俺はぼーっと考えていた。
完全に油断していた。どうでもいいと人生を
諦めてしまっているからこんな有り様に至る。
以前なら考えられなかった事態。
でも良かったのかもしれない。
いっそのことこのまま死ねればいいのに。
痛むみぞおちに情けをかけるかのように
そっと手をおいた。
「…ですか」「大丈夫ですか?」まだはっきりとしない意識の中で、かすかに声がする。
少しの暖かさを感じる。
そのせいか痛みも少し和らいだ感覚になる。
ゆっくりと目を開けると、そこには青年が、 俺の頬に手を当て顔を近づけていた。
「…なにしてんだ近けぇ。」と、
俺は驚きとっさに後ろへ下がった。
「…すみません。どこか怪我しているのかと思って確認したくて…」そう話した少年の目は、
俺と目が合わず今起きている状況を
必死に俺に触れて感じようとしていた。
「………お前目が見えないのか。」
「あっはい。全く見えないです。
ははっすみません」
と少し申し訳なさそうな表情をしながら
少年は答えた。
「謝ることなんてねぇだろ。
…それよりなんで俺が倒れていること
がわかったんだ?」
「感じたんです。何となくですけど。
どこからか血の匂いもしていたし
だから心配で..」
「…そんな危ねぇことするな。
こんな見ず知らずのやつに」
俺の見た目なんて決して
普通の人ではないだろう。
「でも僕は見捨てられないですよ
ごめんなさい。勝手に。とにかく近くに医薬品があるお店があるからそこに行きましょう」と一度離した俺の手を、もう一度握り、
そう言った彼の表情に、
俺は何も言うことができなかった。
彼の温かい手にただ委ねるしか。
盲目な恋をして @41kd
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