盲目な恋をして
@41kd
第1話
時々夢を見る。優しい手に触れられ、体の底から希望に満ちていく感覚。
目線を向けると、そこには知らない青年が立っている。容貌は、差し込む光で
見ることはできない。
温かい。ずっと触れていたい。
そんな感情にさせる。
その手を握ろうと手を伸ばす。
しかし伸ばした手は、
見慣れた天井へ向けていた。
「またか…っ目覚めが悪い」
行き場を失った手を下ろすと、
目を覚ました。
戦地で受けた古傷が痛む。
朝は自分が望んでいなくたって来る。
俺は仕方なく重い体を起こした。
家を出れば、何処にでもあるような
ありふれた町が広がる。
位の高い軍人・貴族が意気揚々と歩く姿
2人で中睦まじく歩く子供達。
行き交う人々はどこか眩しい。
だか一本路地裏に入れば、景色は一変する。
男の品定めをする娼婦、裏社会の人間
そこは、闇と欲望渦巻く暗黒な地。
度重なる不景気・戦争が治安悪化を招いた。
世界なんてこんなもんだろう。
そんなことを考えながら歩いていると、
がしっと肩を強く掴まれる。
「よぉそこの旦那。いい女揃えてるからよってかねぇか。」
「…興味ねぇ」
「そんなこと言わずによ
安くしてやるからさぁ」と
肩を強く掴まれたまま、男は続けた。
そばには着飾った女がたっていた。
肩を掴んだ手を振りほどきながら
その手を強く掴み返し、
「これ以上話しかけるんじゃねぇよ」
といい放った。
その言葉に激情した男は、「てめぇバカにしやがって」と拘束されていない手で
強くみぞうちを殴られる。
「うっ…」全身がクラっとした時、背後から
男の手下だろうか。裏の人間であることに、
違いない連中に続けて殴られる。
そして次第に意識が遠のいていった。
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