第27話 深淵の先


隠し階層の広間を後にし、クロウはさらに奥へ進む。

宝と素材を手に、足元の床を慎重に確認しながら、通路を進む。


《空間把握(狭)》が微かに振動する。

床の圧力、壁の振動、魔力の流れ。

全てが、前方に未知の存在が潜むことを告げていた。


(……まだ、この迷宮の本当の深さは見えていない)


#### 通路の奥


通路は徐々に狭く、曲がりくねる。

湿った空気が立ち込め、視界も薄暗い。

これまでの経験を総動員して、クロウは一歩一歩を慎重に踏み出す。


壁の一部に微細な刻印を発見。

《遅延感知》で振動を確認すると、単なる装飾ではないことがわかる。

罠、もしくは警告――どちらにしても、未知の規格外が待つ兆候だ。


#### 新たな規格外モンスターの予兆


広間に差し掛かると、空気が微妙に歪む。

魔力の波動が広範囲に広がり、クロウの《遅延感知》が異常振動を起こす。


(……これは、普通の敵じゃない)


床や壁が微かに震え、巨大な影がうごめく。

姿はまだはっきり見えない。

だが、前回の規格外モンスター以上の圧力を感じる。


クロウは短剣を握り直し、呼吸を整える。


(……ここまで来た。

 だが、負けるわけにはいかない)


#### 戦術準備


クロウは観察を最優先に戦術を組み立てる。


・ 床や段差を利用した誘導

・ 攻撃を直接受けず、情報収集と制御に徹する

・ 《微調整》で重心を常に最適化

・ 《蓄積変換》で敵の行動を次の一手に反映


未知の敵であっても、前回までの経験が、確実に生きる。


#### 緊迫の予感


影はまだ現れない。

だが広間の奥から、低く唸る咆哮の余韻が伝わる。


(……あいつ、前回より遥かに強い。

 だが、俺も成長した)


クロウは深く息を吸い込み、短剣を腰に差す。


隠し階層の奥深く。

新たな規格外モンスター――

クロウにとって、本当の試練の幕開けが、静かに迫っていた。

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