第26話 暗闇の報酬


瀕死寸前で広間の安全地帯に滑り込んだクロウ。

息を荒くしながらも、周囲の状況を《空間把握(狭)》で再確認する。


床にはひび割れ、壁には微細な罠が残る。

しかし、怪我の痛みと血の感覚に反して、心は静かだった。


(……やった。制御はできた)


#### 宝箱とレア素材


広間の奥、破壊されず残っていた台座の上に、小さな宝箱がひとつ。

慎重に近づき、罠がないことを確認して開ける。


中には、煌めく魔力強化素材と、古びた魔法書の断片が入っていた。


《空間把握(狭)》で周囲の異変を確認。

罠はなし。完全に隠された宝だ。

小型ボスや規格外モンスターに勝つよりも、この成果が真の報酬である。


クロウは素材を手に取り、短く呟く。


「……価値ある一品だ」


#### 戦術の成果


今回の瀕死の戦闘で、クロウは確信する。


・ 攻撃力に頼らなくても、生き残り制御できる

・ ダメスキル連携と観察で、未知の敵でも勝ち筋を作れる

・ 情報の蓄積と活用が、自分の武器になる


これまで無意味だと思われていたスキルが、

最大限に活かされた瞬間だった。


#### 心中の成長


広間の暗闇に座り、クロウは短剣を膝に置く。


(……俺、少しずつ強くなってる)


ゼインにはまだ遠く及ばない。

だが、生き延びる力と戦術の蓄積が確実に成長を示している。


迷宮の深層。

隠し階層。

そして、圧倒的な力を持つライバル。


すべての経験は、次の戦いの布石だ。


クロウは立ち上がり、宝と素材を抱えて広間を後にする。

暗闇の中でも、その目は確かに光を捉えていた。


(……次は、もっと遠くまで行く)


最弱判定の冒険者は、

生き延びる術と、確実な成果を手にする術を、静かに手に入れたのだ。

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