Case.13【傲慢の操り人形】
惑星プライドール、科学技術の発展目覚ましいこの星はこの日、念願の銀河間航行の成功を成し遂げた。
そしてそれと同時に彼らはその銀河を管理する銀河連邦へと招待された。そこは銀河間を掌握しうるだけの科学か神秘かを有しなければ招かれぬ極致であり、プライドール星人はとても誇らしい気持ちであった。
しかしながら、それだけではいられない要素もある。それは宇宙連邦より告げられた【惑星腫瘍】という脅威だ。それはそう遠くないうちにこの銀河へも到達するだろうということ。そして厄介なことに、その腫瘍はその星の住民にとって都合の良い形態を取り、一目で判別が出来ぬということだ。もし
プライドール星人はもしも自分達の星が惑星腫瘍に罹りでもすれば、銀河連邦の面々に顰蹙を買われ指を指され、銀河連邦の席も外されてしまうのではと恐怖した。
そんな折、そんなプライドール星にひとりの男が降り立った。彼は惑星腫瘍研究の第一人者だという。プライドール星人達はこれ幸いとその男を頼り早速惑星腫瘍への対策を立てた。その中には地面を掘って何かを埋めたり、何かを建てたりだのとよく分からない内容も多かったが、そもそも惑星腫瘍等と言うもの自体見たことがない彼らにとって、正解の形自体が分からないのでそれを信じるしかない。
しかし男は自信満々に『これで貴方達の星の面子は必ず保たれるでしょう』というのだから、その言葉に満足してその後も彼の作業を援助した。
さて、そんなところに銀河連邦よりの使者が訪れた。どうにも『この星で惑星腫瘍らしき反応が探知された』とのこと。
しかしプライドール星では今まさに惑星腫瘍対策の真っ最中。そんな星で惑星腫瘍が存在するはずがない。
するとそこに、かの男が現れこう囁く。
「惑星腫瘍は都合の良い形をとるのです。つまり惑星腫瘍を見つけ出すという甘言を嘯くコイツこそが惑星腫瘍そのものですよ」
プライドール星人は惑星腫瘍の捜索を申し出た使者を迷わず"捕獲""殺菌"した。
そして彼らは胸を撫で下ろしたのだ。
「あぁ、この場に彼が居てくれてよかった。でなければあの邪悪なウィルスにまんまと星を乗っ取られていただろう」と。
ほんの少し経って、使者への行為を知った宇宙連邦はプライドール星を激しく糾弾し、その後の対応如何によっては実力行使を伴う制裁を科すだろうと警告したが、プライドール星はこれに取り合わない。
「我らは惑星腫瘍への適切な対応をしただけだ。むしろ貴殿らの星も連邦そのものも惑星腫瘍に侵略し尽くされている」
この返答に銀河連邦は『プライドール星及びプライドール星人はこの銀河を脅かす脅威となる』と判断し、粛清を開始。しかしプライドール星もそれに反発・抵抗を続け、日頃宇宙連邦に不満を持っていた他惑星等も介入を始め本来なら数日とかからず終わるはずの惑星封殺は幾月も有した。
そして――宇宙連邦の戦艦旗艦の目の前でプライドール星は爆ぜた。それに呼応するように周辺星も崩壊を始め、その余波を諸に受けた宇宙連邦陣営も多大な被害を受けた。
結局、その後の銀河に残ったのは星と文明の残滓と、散り散りになった
[記録終了]
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