Case.10【争いは同じレベルで】
全く同じ時間でふたつの星が誕生した。片方を『ロムス』もう片方を『レムス』
そのふたつの星はまるで兄弟であることを、もしくは姉妹であることを証明するように共に広大極まる宇宙において一定の円を描き、成長していった。そしてそこに芽生える生命、文明もまた似通う。
ここまではどこかで聞いたことのある展開であったが――しかしながら、この星はどうやら事情が違うようだ。
ふたつの星の住民達は、同じ様な時期に星間航行技術を手に入れると、ひとまずは星間交易パートナーとして手を結んだ。しかし『共通の敵がいると結束を強くする』ではないが、互いの星は星内での共生関係は強くなる一方で、星同士での競争は激化していく一方だった。
互いに星の環境は似かようが、手に入る資源は違ってくるし、何よりも相手方の土地毎奪えてしまえばより大きなリターンが見込めるだろう。
こうして、些細なことでも『こちらの星の環境に悪影響を与えた』だの『こちらの住民に心理的不安を抱かせた』だのと難癖をつけて資源を要求する駆け引きが続いていた。
それだけならまだ【最後の線引き】が保たれていただろう。しかしそこに"それ"は最悪のタイミングで現れた。
【惑星腫瘍】だ。
ロムス星の科学者はミサイル型で現れたそれを惑星腫瘍と断定。惑星腫瘍であろうと、ミサイル型である以上は飛んでいってレムス星に着弾するであろうことも計算された。あとはどう判断するか、であるが案の定というかロムス星の代表達は『脅し』の道具として惑星腫瘍ミサイルをレムス星へと飛ばすらしい。
結局のところ、貴重な資源も新たな住居も使える労働力も欲しい、しかし歯向かう反対勢力は要らない……と、同時期に生まれた双子は目の上のたんこぶと化していたのである。
ロムス星から放たれた惑星腫瘍ミサイルがレムス星へと届く直前、そのレムス星から素敵なメッセージ付きでミサイルが届く。
『我々は貴星にとって致命的な攻撃が可能である。これ以上の攻撃を望まぬのであれば速やかにロムス星の全権を明け渡せ』
当然これに従うわけもなく、なんのことはなく生えてきた惑星腫瘍ミサイルを更にレムス星へと打ち込み……大体同じくらいのタイミングでレムス星からミサイルが届き……そんな日々が暫く続いたのちにほぼ同じ時刻、ロムス星とレムス星は真空の宇宙においても"轟音"と言えそうなくらいの振動/爆発を伴って消滅した。
余談だが、この爆発を予見して星外に脱出したロムス星とレムス星の住人が、どちらが原因かを罵りあっているらしい。
[記録終了]
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