子供たち
さゆりが姿を消してふわふわと浮いていると、一人の子供が歩いているのが見えた。
小学校の低学年くらいの、女の子だった。
さゆりは少し後ろに着地し、そっと姿を現す。そして声をかけた。
「ねぇ――」
その瞬間、少女は悲鳴をあげて振り向いた。
「えっ、びっくりさせちゃった? ごめんね……」
驚かせるつもりはなかっただけに、さゆりは戸惑いを隠せなかった。
「……あの、うしろ姿……見た?」
少女が怯えたような声で尋ねてきた。
「え、うん。見たけど……?」
さゆりは意味がわからず首をかしげた。
見られたくなかったのだろうか? それとも何か別の意味が?
「……ごめんなさい」
少女は頭を下げた。
「ええっ!? まって、なんで君が謝るの!?」
さゆりは慌てて、顔を上げるように促した。
「だって――」
少女が理由を言いかけたその瞬間だった。
ゴッ、と鈍い音とともに、拳大の石が少女の顔を打った。
本来はさゆりの頭を狙って投げられたものだったが、幽霊の彼女をすり抜け、少女に直撃してしまった。
少女は地面に崩れ、顔を押さえて泣き出した。
あまりのことに、さゆりは反射的に姿を消して振り向く。
そこには、石を投げたらしき、同じくらいの年頃の少女が駆け寄ってきていた。
「ごめんね、大丈夫? ここに“うしろ姿”があったと思ったんだけど……」
周囲をきょろきょろと見回す少女。だが、そこにさゆりの姿はもうなかった。
理解が追いつかず、恐怖を感じたさゆりは、静かにその場を離れた。
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