第6話 白衣の男
「皆さん初めまして」
多少のヤジを受けながら軍服女が出て行った後、すぐに同じ扉から出て来たのは丸眼鏡を掛けたボサ頭の白衣の男だった。
彼は壇上に上がると一つ咳ばらいをして話始める。
「今回の実力診断テストの判定を執り行います。クジュリカ・ダンベッドです」
そう名乗った男は、再度咳ばらいをした。
そして眼鏡を片手で直すと、その流れで前髪を横に反らす。
なんだか落ち着かない様子だ。
「ねー、そういえば気になってたんだけどさーぁ。あ、質問オッケー?」
ザワザワとしたこの場で俺の隣に居た女子、
「えぇ、どうぞ。答えられる範――」
「それ落ちたらさーぁ、どうなるん?」
彼女は彼ゆったりとした喋りを遮り、まさに俺が思っていたことを言ってくれた。
確かに
「もしかして、死ぬ…とかは無いよね?ウチまだやりたいことあるんだよねー、スカイダイビング…とか?」
真剣なのか能天気なのか読み取れない表情で更に冗談みたいなことを言う彼女は、ケラケラと笑い声を上げていたが目は笑ってなかった。
「……そうですね。ここは、参加者である貴方たちには知ってもらう権利があると思うので、真摯に答えさせていただきます」
そして咳ばらいをし、一呼吸置いた後に彼は口を開いた。
「まず、勇者として成熟を表す一番を一週間キープするというのが合格条件。そして不合格の条件としては、この中の誰かが勇者になる時に最終番だった人になります」
以前の警備員の反応からして予想は出来ていた。
そしてあの女の発言に疑問が生まれる。
それは全員卒業した組があるという発言で、最終番から死んでいくシステムなら、まず全員合格はあり得ない。
「そして、その時点で最終番だった人には別室へ行ってもらいます」
別室――
更に今気が付いたが楼助が居ない。
アイツは背が高く、声も大きいのでこの場に居たらすぐ気付くハズだが、周りを見渡してみても姿は無かった。
「すんませーん、別室ってなんですか?」
集団の左の方から声が上がる。
本当、俺が発言する隙も無いな。
今のところ俺が主人公なのはあの部屋くらいだ。
「別室についてですね。え…っと」
白衣の懐から掌サイズの手帳を取り出した彼は、パラパラとページを捲って止まったページを見ながらそれを読みだす。
「別…室については…想定以上の能力、または最終番を案内するように…まぁそんな感じです」
話し方は途切れ途切れで歯切れが悪かったが、それは彼が別室については知らないということを顕著に表していた。
ただ、それでも別室の扱いは良くわかった。
異端児が行く場所。
そして俺が主人公としてこの場を進めるには、別室に行く必要がある。
俺の異世界転移、思ってたんと違う〜とうとう待ちに待った異世界転移をしたまでは良かったが、突然番号で呼ばれ出したんだが… アスパラガッソ @nyannkomofumofukimotiiina
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