遭遇

しかしどうしたものか。


ゴブリンは5体、僕を取り囲むように立っていた。




体格差はこちらが有利、しかし数的に不利な状況だ。


ましてやこいつらがどのくらい強いかは未知数。 一斉に攻撃されたらこちらが圧倒的不利になる。




この様子じゃ戦闘は不可避、仕方がないこちらから仕掛けるか。


手始めに眼の前のやつから倒す。




集中し、戦闘態勢に思考を切り替え、敵に蹴りを入れようと足を一歩踏み出す。


その瞬間、自分はゴブリンの眼の前に動いてた。


空中にいながら驚きとともに入れた蹴りはゴブリンを吹き飛ばし、背後の木もろとも叩き切っていた。




他のゴブリンは驚きか、はたまた恐怖か、顔を引き攣らしているように思える。


好機!


僕にはすでにゴブリンは獲物にしか見えていない。




さらにここで逃がせば他の人にも危害が及ぶ。


返り血で服が汚れた。


そんな僕を恐怖したのか、


あつらは背を向け逃げていった。




愚かだな。


“創造”でビー玉くらいの鉛玉を四個作成。


更に“思考加速”で現実世界の見え方を数十倍に引き伸ばす。




弾道を予測し、必殺の思いを込め繰り出される凶器はあまりに強い遠心力で楕円に変形し、空気を裂き、ゴブリンの頭にめがけ飛翔する。


そうして放たれた鉛は見事命中。逃げていたゴブリンはすべて倒すことに成功した。




初めての戦闘にしてはあまり脅威は感じなかった。


もしかしたら自分は思っているより強いかもしれない。


もしかしたら今度こそ...


——いや、やめよう。




あたりの空気が冷たく重い。日が完全に沈んだからか、はたまた魔物とはいえ人に似た生物を殺したからか。


どちらにしろ。今更考えても意味はない。




...でも、できるだけ多くを求めるために。この世界でも僕には力がいる。


今度から、ここで能力の向上を目指そう。


そう思いながら。イリムは帰路についた。

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