第1話「絶望の始まり」

「貴様、アルディアの末裔だそうだな」 


魔族の公爵のヴァルトア・ルシフェラが言った。


俺ーーゼファ・アルディアは小さい時から、

今日まで十数年間奴隷として扱われてきた。

薄暗い部屋の中で殴られ、蹴られ、侮辱され、

オマケに朝から晩までの重労働。朝7時から始まり、終わりは夜10時まで。もちろん休憩なんてものはない。ただ一つの希望を胸に耐えてきた。


ーーいつかこの屈辱が晴らす日が来ると信じて。


だが、同じ奴隷の人なのか、それとも

国の上層部が流したのかはわからないが、

密告者がいた。祖父から聞いた秘密で

ある、僕がーーアルディア王家最後の末裔だと言うことを。


「おもしろい、それなら貴様にピッタリな場所へ

 連れてってやる」


ヴァルトアがどこか恐ろしい歪んだ顔をした。


「永久投獄だ。大陸最悪の魔境で、祖先と一緒に

 この場所で朽ち果てろ。ゴミが。」


翌日、俺は鎖に繋がれて馬車に乗せられた。


永久投獄ーー大陸北部の辺境の地にある史上最悪の

処刑場。Sランクの魔物が大量に生息する

大陸随一の危険地帯。

魔力濃度が以上に高く、凶悪な魔物が

生息することから"死の大地"と呼ばれている。


馬車は三日かけて、その入り口に辿り着いた。


「さぁ、いけ。お前の王国はこの先だぞ。

 祖先と一緒に朽ち果てろ。」


魔族の兵士たちは、僕の鎖を笑いながら外し、

この場所を去った。


一人で凍てつく荒野に残された。

唯一、残されたのは粗末な布一枚だけ。

それ以外のものは何もない。


「くそ、」


吐き出した息が空気中に白く残る。


僕はここで死ぬんだ。


だが、せめて先祖の地を見たい。


そうして俺は歩き出した。







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