第2話『境界を越えて』
2話『境界を越えて』
目が....覚めた。
天井。
安っぽい照明、黄ばんだ壁紙。
ああ
現実だ、夢じゃない。
少なくとも、俺の感覚では。
「……」
息を吸う、ちゃんと肺に入る。
昨日の“完成された世界”みたいな軽さはない。
俺は布団から起き上がり、
机を見る。
白紙。
パソコン。
未完の人生。
よし。
「――夢...か、めでたしめでたし」
そう呟いた、その直後だった。
「おかえりさん」
”声”
聞き覚えのある声
一瞬、思考が止まる
……幻聴?
寝起き?
残留夢?
ゆっくり、
本当にゆっくり振り向く。
部屋の隅、夢と同じ位置。
夢と同じ影。
でも――
背景は現実だ。
壁紙に溶け込んでいない。
照明の影をちゃんと落としている。
畳の上に“立っている”
「………………」
言葉が出ない。
ソイツが、こちらを見て手を振った。
「おはよう、地球人」
背筋に冷たいものが走る···
大「……待て!!!!」
口は勝手に動く
「お前...」
一歩、後ずさる。
「お前、夢の中の存在じゃ..」
「せやで」
「じゃあなんで――」
「現実におるんや、って?」
首を傾げる
影の輪郭が、妖しく揺れる
---
---
---
「そら簡単な話よ、
夢と現実、行き来できるんよ」
「ホントに簡単だなっ!!!」
思わず叫ぶ。
心臓が夢のときよりうるさい。
っていうか...
(はぁ!? 何者だよお前!!! )
(いや待て待て待て、情報量が多い! 何者なんだよ!!)
(ちょっと待て、世界観が追いつかねぇ! 何者だよ!!)
(誰だよお前! いや違う、何者だよ!!!)
(説明を省くな! 何者だよお前ぇ!!)
(そんな設定アリかよ!? 何者だよ!!)
たった一つの素朴な疑問が頭の中で
湯水の如く溢れかえる
意を決して口に出す...
「お前誰?」
「宇宙人」
即答
「宇宙人!?待て待て待て……じゃあアレ
俺の夢じゃないのか?」
「半分はアンタ自身の夢」
「もう半分は?」
「宇宙人案件」
「比率最悪過ぎるだろ」
「と言うわけで契約しよ?」
「うん唐突過ぎる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます