第2話、ギドラちゃんと一緒!
龍騎士学校に入学して一カ月が過ぎた。
ここは、龍騎士と人の姿をした龍がともに学び、相棒や番を探す場所である。
龍紋にはある程度、龍の強さが分かる能力がありそれは、”龍圧”として現れる。
対して龍は本能とスキルの種類によって騎士の強さを測るのだ。
二つの強力なスキル持ちのアルフレッドは早速普通の龍の1,5倍くらいの龍圧を持つ龍と知り合ったようだ。
エメラルドドラゴンのタムリンという女性の龍らしい。
「まあ、自分には関係がないなあ」
なにせ、自分のスキルが、”ドラゴンスレイブ(龍奴隷)”ということを、アルフレッドに言いふらされて全学生が知っているようだ。
さらに、実家は授業料と制服と教科書代以外は出してくれない。
食費や普段着その他のものはアルバイトでお金を稼いで買った。
一応寮住まいなので家賃はいらない、が食事もついていなかった。
アルフレッドはタウンハウスで生活しているけどね。
◆
「はあ」
昼食だ。
食堂で一番安い卵丼を頼んだ。
一日の食事はこれだけである。
「ゆっくりとかみしめて食べよう」
でも実家みたいに硬いパンと、具はなく限りなく白湯に近いスープに比べればはるかにましだ。
食べていると満席に近い食堂がざわつき始めた。
たまたま自分の前の机だけが空いている。
混んでいる食堂の人をよけながら何かが近づいてきた。
「唐揚げのタワーに、金髪のツインテールが生えている……」
見たまんまを口に出した。
龍はたくさん食べるので量も増える傾向にある。
唐揚げタワーは、この食堂のある意味名物のようなものだ。
目の前までツインテが生えた唐揚げの塔がきた。
食堂のトレーに乗せては運んでいるのだ。
ぐきゅるるる
空腹に暴力的な唐揚げのにおい。
自分の腹が激しく反応した。
「えっ」
奇麗な鈴を鳴らしたような驚きの声。
ガタンッ
自分の腹の音におどろき、トレーをテーブルに軽く落とした。
バラバラバラ
ああ。 唐揚げの雨が降る。
「ご、ごめ~~~ん」
唐揚げの向こうから現れた金の龍眼。
白い肌に美人系の整った顔立ち。
ツインテールがよく似合う。
ランスと龍を模した校章の入ったセーラー服。
「あ、大丈夫、唐揚げはトレーの上に」
自分のトレーの上に唐揚げは全て落ちている。
でも何個かは食べかけの卵丼の上に。
きゅ~~~
さらに、おなかが鳴った。
「あはは、おなかが空いてるんだ」
「うっ」
恥ずかしい気持ちが表情に出た。
「いいよ、いいよ」
カラリとした陽の光のようにニパッと笑う。(唐揚げだけに)
「お腹すいてるんでしょう、いいからお食べ~」
よく見ると、若干見晴らしの良くなった唐揚げタワーの向こうに、大盛りのスタミナ丼と大盛りのラーメンが見えた。
「ボクのはまだあるからねっ」
誇らしげに胸を張る金髪ツインテ美少女。
降ってきた唐揚げを全部くれた。
「くっ、女神……唐揚げの女神さまだ……っ」
「あはははは、
「はは~~」
泣きながら唐揚げを食べた。
「ふうううん」
ツインテの美少女が意味ありげに自分を見ていたのを気づかなかった。
それから約一週間、なぜか毎日食堂で一緒になり、
「江戸っ子だってねえ(←?)、食べねえ食べねえ」
と色々おかずをくれた。
この一週間で自分の家のことや状況を何とはなしに話た。
「ふうううん、スキルが、”龍奴隷”……ねえ」
丁度よい大きさの胸の下に両腕を組んでいる。
龍眼が少し細まる。
「……龍の奴隷ではなさそうね」
「ボクの名は、”レヒト”、君の名は?」
「リュウド」
くれた唐揚げをほおばる。
「気に入ったよ」
指を自分の額の前に伸ばし、スッと左下から右上に動かす。
一瞬金色の線が走った。
「マーキング完了っと」
「小姉と大姉がどう言うかな~~~」
「?」
「ふふふ、何でもないよ~~~」
どこか含みのある笑顔のように見えた。
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