第10話 嫌な予感(2)
部屋を出ると受付のようなところがあり、女の人が立っている。
「特攻隊の朝木様ですね。お連れのお二方はどちら様で
しょうか?」
すごく美人だし声も綺麗だ。私もこんな大人になりたいと思う。…まぁ無理だろうけども。
「明々後日から俺の隊に入ることになった、雨宮と美阪
だ。仲良くしてやってくれ」
頭をワシワシと撫でられる…というより揺さぶられるに近いな。前々から思ってたけど、朝木ってデリカシー皆無だよな〜…。
「承知いたしました。では、そちらのお二方もホワイト
リストに入れておきますね」
「おう、助かる。特高部寮まで頼む」
「申し訳ありません、ただいま瞬間移動装置が大変混雑
しておりまして。少々お待ちいただけますでしょう
か?」
瞬間移動装置!?そんなものまであるのか…本部までのゲートのようなものって、そういうことだったんだ。ハイテクだなぁ…これで月に行けちゃうんだ。志保も驚きと好奇心を隠しきれないようで、目を見開いている。ここでやっと朝木の手が頭から離れた。
「おう。…何かあったのか?」
「久々にS級のMOMが出現したみたいでして。それの
討伐でてんやわんやなんですよ」
「なるほど…それなら俺たちも駆り出される可能性が高
いな」
「恐らくは」
詳しい内容まではわからないが、雰囲気から察するに強いMOMが出てその対処に追われてる…って感じだろうか?ランクが何まであるのかはわからないが、ゲームの感覚で言えばラスボスに近いキャラではなかろうか。あとで朝木にその辺聞いてみるか。
「ねぇ、ハル」
横を見ると、志保がどこか落ち着かない様子で辺りを見回している。
「ん?どしたの?」
「話…いつ終わるのかしら」
「ん〜…多分もうすぐ終わるよ」
「そ、そうかしら?ならいいけど」
志保、なんかさっきからソワソワしてる?何か気になるものでも…ん?あれは…
「よしっ!雨宮、美阪。ちょっと来てくれ」
「わかったわ。ハル、早く行きましょ!」
「……?」
「どうかした?」
「い、いや…なんでもない」
今チラッと見えた”あれ”は…気のせい、か?頭の整理が追いつかないうちに、志保に手を引っ張られてその場を後にした。
「なにかあったの?」
「いや…なんか、嫌な予感がする」
「え?」
「…やっぱ私の気のせい!何でもないから早く行こう」
昔から、私の嫌な予感はよく当たる。それは必ず、何時間、何日、何年後になっても帰ってくる。ただ、この時の私は頭の整理ができていなかったのと、疲れでそこまで気が回らなかったため気のせいだと思うことにした。この時の嫌な予感が、まさかあんな最悪の形で帰ってくるとは…この時の私は、夢にも思わなかった。
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