第7話 特攻隊へようこそ(1)
「え…?今、なんて…」
「だから、俺はマディアの人間だっつったんだよ」
…こんな偶然、起こり得るものなのか?この男は私達の立場を最初から知っていたんだろうか?…だから、助けたんだろうか。
「…私達のこと、知ってたのね。これからどこに行くつもりなの?アテはあるの?」
「…あるさ。お前らにとっては行きたくもない場所だろうがな」
「まさか…!」
まだあと3日休暇があったはずなのに、もうその場所に行くことになるなんて…予想はついている。
「まっ、お前らの予想通りだ。これからマディア…正式名称『MOM特選攻撃部隊』の本部に行く。そこでお前らは正式に俺達の仲間入りってわけだ」
「まぁ、私はいつになってもどうせ入ることになるんだから別にいいけれど…ハルは大丈夫?」
「私も…大丈夫、だよ?」
本当は、全然大丈夫なんかじゃない。色々なことが起こり過ぎて混乱してるから、頭がボヤ〜っとしてるだけ。本当は怖いし行きたくない。本来なら…きっと泣いていただろう。恐怖に押し負けて。
「本当に?」
「…大丈夫だって!どうせすぐ入るんだから」
強がってないと、自分を保てない気がした。だから、私は自分に嘘をつく。仮面を……被り直した。
「……そう」
志保はまだ私を怪しんでいるようだが、私は何も喋らないことにした。今更本当のことを言ったところで…自分の弱さを見せたところで…きっと、何も変わらない。
「でも、そういうのって普通正装で行くものじゃない?こんな格好で行って大丈夫なの?」
「いや、別に行ってすぐに特攻隊の入隊式やるわけじゃないぞ?」
「え?」
「いや、当たり前だろ…。そんな格好で式に出れるわけないだろう?それに政府に出された特別休暇令はまだあと2日残ってるんだろ?いくら人手足りないとはいえ、俺らもそんな鬼じゃねぇよ」
そういえば、あと2日間は休みだったんだ…。こんなことにならなければ今頃お昼食べてたのに…!あぁ、私の高級ランチが…。
「じゃあ、その2日間は何をしていればいいの?私達は本来なら外で遊ぶつもりだったんだけど…」
「…外で遊ぶのは残念ながら無理そうだな。その間は本部にある特攻隊訓練生教育機関、略して『特高部』で特攻隊になる前に基礎体力の向上やお前らの能力値を測る技能テストを行う。まぁ今日含め3日間のうちはお前らは自由参加だがな。寮があるからそこで生活するといい。金は政府から出るから、なんでもタダだ。好きなもんバンバン食って体力つけろよ!」
もっと悪い環境だと思ってたけど、結構優遇されてるんだな…。
「お前らの部屋は隣にしておいたが、他の奴らとも仲良くしてやってくれ。…まぁ全員癖ありだがな。リビングやキッチンは共同だから、嫌でも顔合わせるだろうけどな」
癖が強い、か…。どんな人がいるんだろう?まともな人がいればいいけど。
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