青ノ団ト試練

他の生徒に習うように俺も道なりに歩いて行くと、中庭の様な所についた。新入生が並んでいて俺も開いている所に立つと、隊長が列の前にある演説台に立って新入生を見渡すと、突然座り込んだ。今までしっかりした雰囲気だったのが全て嘘だったかの様な行動に俺達は、困惑していた。

そうしていたら隊長は急に笑い始めた。


「まぁゆっくりしなよ新入生。ここはそんな厳しくないからさ。」


今さっきと打って変わって柔らかい表情をしていた。

どんな厳しい事があるのかとヒヤヒヤしていたというのにこの男はそんなこと知るもんかと云わんばかりに笑っている。


「一応今回は、説明会みたいなことをする予定なんだけど、俺そういうの面倒だからやりたくなくって。どーせなら親睦会したいじゃん?」


手をひらひらとしながらそんなことを云う。隊長を疑うような言葉に思わず耳を疑った。この人、大丈夫なのだろうか。


「これ、校則とか書いた紙。後ろに回しといて。ちゃんと見ておくように!破ったら退学らしいよ?」


一番前の人に紙を渡しながらにこにこと笑っている。否、校則を破ったら即退学なのか。一体どんな校則なんだ、そう思って回ってきた紙を見ると、校則は片手で数えられる程しかなく、それ以外は学園についての簡単な説明が書いてあった。これだけで本当に学園が成り立つのかと疑問に思った。

そうしてその紙の中に目を疑う文章が、一つ。

それを見つけた途端、俺は思考が止まった。信じたくなかった。唐突に訪れた俺への試練。


「はい、じゃ紙に書いてある場所に移動よろしくね?」


そうして、何も考えず移動した、先。それは寮だった。

502と書かれた部屋の前に俺は立っていた。番号の下には名前の書いたプレートを差し込む場所があり、二つある内の既に一つは埋まっていた。空いている方に自分の名前のプレートを差し、扉を開け────れない。

怖い。手が余りにも震えすぎている。でも、進まなくては。そうして、俺は扉を開けた。


「あ、新入生くん?隊長の九十九凛つくもりんだよ。よろしくね」


部屋にいたのは───まさかの隊長だった。

そう、俺が見つけた試練はコレ。紙にはこう書いてあった。『BLUEハ親交ヲ深メル為、寮ノメンバーヲ学年関係ナクシャッフルシテ決メテイマス。』と。

寮の相部屋となる人が誰か分からなかったのだ。せめて同じ学年の人であれと願っていたが、やはり駄目だったらしい。


「え、えっと、清水、飛鳥です。よろしくお願いします。」


緊張して思わずどもってしまった。多分顔も真っ赤だ。そんな俺を見てか隊長は笑いながら優しく云った。


「緊張しなくて良いから!飛鳥、よろしくな。凛で良いからな!」

「う、凛、さん。」

「んーまぁ合格!許してやろう。」


「あ、他の人の前では隊長付けてね~」と軽く付け足し。偉そうに云ってくる。否、本当に偉いのか。

体育館で見たときにはあんなにも怖かったのに、今はこんなにも優しい。同級生とかじゃなくて、この人で良かったのかもしれない。


「そうだ、部隊にいる人達はその部隊の色の何かを身に付けなきゃいけないんだよね。」


聞いてないぞ!と思うと同時にそういえば今までに会った生徒は皆赤か青の何かを身に付けていたことを思い出した。

凛さんは机の引き出しを漁り、中から「これだ、これ」と呟きながら小さい箱を出した。蓋を開けると中から長くて青いリボンを出した。それを俺に見せながら


「これ、俺が前使ってたリボン!今のは隊長が代々受け継いでるやつで、前のは使わなくなったんだ。明後日から学校なのに用意しろって大変だろ?これあげる!」


と云ってきた。

そんな大事なリボン貰っても良いのかと一瞬手を取るのを躊躇った。が、凛さんはそんな俺の手を無理矢理取り、リボンを握らせた。


「良いから!飛鳥が使ってくれたら俺は嬉しい!」


凛さんが屈託のない笑顔で笑うもんだから思わず俺も笑っちゃってリボンを受け取った。


「遠慮なく使わせて頂きます」

「よし!」


そうして握手した。まさか隊長とちょっと仲良くなれるなんて、俺もこの学園で馴染めるかもしれないな。

そうして俺の怒涛の初日が終わった。

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