第9話悪役はヒロイン所か周りの全員を見捨てないそうですside複数

side騎士団長ガルギーノ


そんな時大声が聞こえた。


「本当にお前達は無能だな?どうしてこんな雑魚に

いつまでも時間をかけているんだ?」

馬車の扉を蹴破って中から出て来たのは当然一人

しか居ない、カスラ殿だった。

何故、外に出て来た?ここは危険だ今すぐ中に


「お前達を失う事は俺が許さない。

死ぬ事は俺が許さない!お前達は誰の物だ?

忘れたのか?お前達はキモール家の所有物だ!

勝手に命を落とす事を俺は許さない。

俺は魔法は使えないが雑魚の足止めなら出来るんだぜ?」

そう微笑んだ……次の瞬間。


「うおぉぉぉぉ!!!!!雑魚共が!

俺に続け!俺の所有物達よ!お前達が本当に使えるのならばそれを俺に示せ!お前達の主が本当は

あの様な出来損ないではなくこの俺だと理解しろ!

剣を取れ!俺の道を塞ぐ物を許すな!

俺がキモール領領主!カスラ・キモールだ!」

魔物の大群に向かって走り出したのだ。

ば……馬鹿な!何を考えている?

あの大群に突っ込んで行く何て死ぬ気なのか!


「カスラ殿!何を考えているのですか!」

我が大声で聞こえるように言うが反応はない。

本当に何をしているのだ!

キモール領は貴方が居なければ駄目なんだ。

ここでカスラ殿を失う訳にはいかんのだ。


「膝を付く者達に伝える!俺の前で膝を付く事は

許さない!戦え!俺の為に死ね!

俺はお前達が無駄死にする事を許さないぞ!」

我等に声を張り上げて必死に伝える。

その間も必死に剣を振り続ける。

だけど、カスラ殿の身体には既に切り傷が至る所に

付いている。剣の素振りをしていたとは言え実際に

戦うのは初めての筈だ、既にボロボロではないか!

どうしてここまで?そんな時、脳裏に過った。

「民達は守るべき存在だろ?」

あぁ………自然と涙が出てしまった。

涙が出るのは何年ぶりだろうか?

これは我の妄想かも知れない。

だけど……その民の中には我々も入っているのか。

我等を生かす為にカスラ殿は自ら剣を振るのか。

こんな………民の為に本気で命をかける貴族がいるのか。


ぐおっ!気合で何とか身体を動かす

主が自ら剣を振っているのだぞ!

我がここで休んで言い訳がないだろう!


「うがあぁぁぁぁぁぁ!」

まだ、痺れている身体を無視して大剣を振る。

我は本当の意味であの御方を理解した。

この領を治めるのに相応しい?

何を勘違いしていたのか。

あの御方はこの国をも変える力を持っている。

あの方に仕えれる我は幸せ者だ!

あの御方の成長を近くで見ていたい!

ここで死なせるものかぁ!


sideアミュラ

あぁ…………私はカスラ様に傷付いてほしくなかったのに結局はこうなってしまいました。

私の力がないばかりにあの方に怪我をさせてしまいました。あの方はやはり自分の命よりも私達の命を

優先して下さるのですね。私は貴方様が死ぬ方が

もっと辛いんですよ?

でも、カスラ様は今、己の正義の為に皆さんと戦う

事を選んだんですよね。

なら、私はその決断に従うだけです。

カスラ様が御自分の命を優先しないなら私が守れば

良いんです。必ず貴方様を守って見せます。



side執事長ポルガフ


「坊っちゃんは本当に民を守ろうとしてるのですね?私はそんな坊っちゃんに仕えられて幸せでございますな。ですが、坊っちゃんはもっと大きくなられます。こんな所で命を失っていい方ではないのです。なら、私がこの命に変えても守りますよ。

小さい頃からずっと見てきましたが坊っちゃんが

こんなに大きくなられるとは思ってませんでしたよ。坊っちゃん、ついて行きますぞ!」



side悪役カスラ・キモール


「ぐっ!ここで殺させてたまるかぁ!!!」

俺の前では誰も死なせないからなぁ!!!!

だが、腕がそろそろ限界だ。

それでも振り続けるんだ!


「ゴン!」

え?気付けば俺の持っていた刀が魔物に弾かれたのだ。手が痺れている、想像以上に疲労が溜まっていたか。だが、少しでも時間を稼げただろうか?

これで少しでも助かる命があれば良いなぁ。

俺が目を瞑り己の死を悟った。


「カスラ様に近付けさせるなぁ!

守れえぇぇぇぇぇ!!!!!」

目の前に二人の騎士が現れた。

嫌、二人ではない。正面の魔物達に大声を出して

突っ込んで行く兵士達が居た。

全員が魔物達に突っ込んで行く。


「何を………してるんだ?

逃げる時間はあったろ。」

俺なんかを守ったって意味ないだろ。

なのにどうしてだ?


「貴方が彼等の士気を上げたんですよ?

貴方は彼等に行動で示しました。

貴方は確かに口は悪いし一見私達を物扱いしたり

塵の様に思っているかの様な発言をしますが

貴方の行動はそれらを全て否定してますよ?

まず、塵に命なんてかけませんよ?」

後からアイアノが声をかけて来た。

俺は彼等を鼓舞した訳じゃない。

本当にカスラは彼女達を塵扱いしていた。

俺も塵扱いした筈だ。

なのに、彼等はどうして立ち向うんだ?

俺に散々酷い事を言われた筈だろ。


「納得しませんか?ですが周りを見て下さい。

貴方がどう思っているかは知りませんが彼等は

きっとこう思っていますよ。貴方について行きたいと。」

俺について行きたい?そんな変わり者がいるのか?

しかし、これはイベントだぞ?

超えられるのか?イベントを。

だが、そんな俺の考えとは裏腹にどんどん敵の数が

減っていく。そんな光景に俺は啞然とした。

先程まで押されていたのに既に相手の方が壊滅状態なのだ。何でこんなに押しているんだ?

俺の予想以上にこのキモール領の騎士団は強かったのか?


「こんなに強いのか。」

思わず声に出してしまうと正面から騎士団長が

声をかけて来る。


「こんなに頑張れたのは全てカスラ殿の……………

いえ違いますな。」

俺の前まで来て急に片膝を付いて頭を下げてこう叫んだ。


「カスラ様に一生の忠誠を誓います!

この剣を貴方の為だけに振りましょうぞ!

我は貴方の剣になりたい!側に置いてほしい!

この勝利も全てカスラ様に捧げましょう!

これからの勝利も全てカスラ様に捧げます!」

騎士団長がそう叫ぶと後からぞろぞろと兵士達が

集まり同じ様に片膝を付いて頭を下げた。

そんな事を言われてももう直ぐ処刑されるんだけど?後、俺について行くとか変わってるだろ。


「どうすりゃ良いんだよ」

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