鬱エンドが多すぎるクソゲー世界の悪役に転生したけど悪役の俺がヒロインを救うと鬱エンド直行なので表では悪役を貫いて陰ながら助けて責任を主人公に押し付ける
第8話悪役が怠惰じゃなくなった?sideガルギーノ
第8話悪役が怠惰じゃなくなった?sideガルギーノ
我は騎士団長であるのにも関わらずこのキモール領を守りたくないと思っていた。
民達は守りたいがキモール家の連中は碌な奴が居なかった。民から税金を取りそのお金を領地の事には
使わず自分達のお金にしたのだ。
あんな奴らが侯爵で居ていい筈がない。
だが、我には彼等を罰する力など持っていなかった。我はあいつらが嫌いだ、民達の為に動いてくれる貴族何て居ないのだろうか?
貴族を嫌いになり始めたそんな直ぐの事だった。
騎士達の訓練を遠くから眺める少年に出会った。
「…………これはこれは!カスラ殿ではございませんか!ここにどの様なご要件が?」
キモール家の跡取りが訓練を眺めていたのだ。
我が声をかけたら驚いた顔をして直ぐに走って
屋敷の中に入ってしまった。
最初は冷やかしなのかと思った。
だけど、夜中になると訓練場から木を叩く音が
聞こえると騎士団の中で噂になっていた。
騎士達の間ではキモール家に恨みのある幽霊が
毎日、屋敷に来ているのではないかと言っていた。
可能性がないとは言えない、キモール家がどれだけ
やばい事をしているのかは知らないが何人か人は
殺している筈だ。だが、少し気になったので夜中に
一人で抜け出し訓練場に行ってみたのだ。
我は目を見開いた、夜中に木を叩いていたのは
カスラ殿であったのだ。
これはどう言う事なのだ?
我には何をして何の為にしているのかは理解出来なかった、だが、微かに本当に小さい声だが我には
聞き取れた、戦場でちょっとした音すら聞き逃してはいけないから聴力には自信があった。
「この先何が起こるかは分からないが少しでも
強くならねばならない。」
自分の耳を疑った、本当にこの領地の為に剣を
振っているのかと疑った。
だけど、我の疑いもすっかり晴れてしまった。
毎日、膝が地面に付くまで何百回も素振りをしていたのだ。それがどれだけ大変なのかは普通の人間
よりは知っているつもりだ、ただの貴族の気まぐれではあそこまで出来る筈がない。
ある日、思い切ってこんな事を聞いてみた。
「カスラ殿は…………何故剣を振るのですか?」
我が声をかけると驚いた様な顔をして走って屋敷に
戻ってしまう。いつも誰かが声をかけると屋敷の中に戻ってしまうのだ。理由は分からないが素振りを
しているのが見つかるのが不味いのだろうか?
だけど、カスラ様は訓練場から出る前にこんな事を
言ったのだ。
「俺は悪役だ。悪役は皆を苦しめる存在じゃないと
駄目なんだよ、だけど、それは主要人物を苦しめる
だけでいい、民達は守るべき存在だろ?」
そんな事を言って直ぐに走って帰ってしまった。
何を言っているのか全然理解出来なかったが
ある言葉だけ頭の中に入って来た。
「民達は守るべき存在だろ?」……………こんな事を貴族の子供に言われたのは初めてだった。
あのキモール家からあの様な子供が産まれるとは。
だが、キモール領を誰もが住みやすい様にするには
あの御方以外に考えられない。
まともに会話したのは今が初めてだったがそれでも
我には分かった、あの御方はこの領の領主に………そして私の主に今まで会って来た貴族の中で一番
仕えたいと思える様な人だった。
だから…………あの方を死なせる訳にはいかないのだ!
「お前達!命を落としてでも自分達の主を守れ!
絶対に無傷で返すと約束したのだ!」
今、王都に行く道中魔物の大群にカスラ様の乗っている馬車が襲われている。
こんな所であの人を失う訳にはいかんのだぁ!
我は背負っていた大剣を必死に魔物達に当てる。
「ぐぁっ」
ぐっ!数が多過ぎる。この兵士の数では我等の方が
先に殺される!ならば、カスラ殿だけ逃がすか?
嫌、それしか生きる方法はない。
私が囮になればカスラ殿を助ける事は出来る筈だ。
だが、近くに居たこのメイドや執事はどうする?
この二人はカスラ殿が連れて来た者達だ。
置いて行く訳にはいかない。それに誰かを犠牲にして誰かを助けるのは我の騎士道に反する。
ガルギーノ!今はそんな事を言っている場合か?
従者よりも兵士よりも主を守るのが私の役目だろ?
だけど、本当にそれで良いのか?
だが、考えている間に兵士達が殺されてしまう!
我が普段あまり使わない頭をフル回転させて
何か策を巡らせる。そんな時魔法が放たれた。
それもかなり威力が高い。
「
風の弾丸が魔物達を貫いて行く。
撃ったのはカスラ殿のメイドだった。
魔法が使えたのか?しかしこの状況で魔法を放てるのはかなりありがたい。
だが、それでもこちらの方が劣勢だろう。
兵士達に魔法が当たらない様にしているから
一部の魔物にしか撃てない。
「兵士達よ、纏まれ!」
兵士が纏まれば少しは魔法使いが動きやすくなるだろうか?だが、魔物の数が多いから兵士はその相手で精一杯だ、自由に動けるのは我とメイドの魔法師と年寄りの執事か。
あの執事、動く速度が速いな。
ただの執事ではないな、磨かれた剣筋だ。
だが、動ける者が三人も居るならどうにかなるか?
カスラ殿を連れて逃げる者が一人居ればいいか?
そんな時、向こうからナイフが飛んできた。
「ぐあっ」
クソ!頭で考えすぎた!
だが、少し掠っただけだ、問題はな
「あれ?」
気付けば膝を地面に付いていた。
体が動かない?まさか!
あのナイフは麻痺毒を塗ったのか!
まずい、速く動かなければ兵士達が殺されてしまう。それにずっとここに居たら俺も無事では済まない。どうにか対処をしなければ。
腕を斬り落とすか?嫌、もう手遅れだ!
全身に毒が回ってしまった。
目の前にはオークの様な魔物が既に近付いていた。
騎士達はその事に気付き叫んでいる。
だが、体が思う様に動かない。
我はここでリタイアなのか?
「
死を覚悟したその時だった。
我の目の前に居たオークの頭が吹き飛んだのだ。
今のは魔法だ、土魔法。
飛んできた方向を見れば馬車の上に人が立っていた。アイアノ殿だった。
今のは本当に死を覚悟した。
だが、ここにアイアノ殿が居ると言う事は今カスラ殿を守る人間が居ないと言うことだ。
アイアノ殿が馬車の上に居る以上魔物が近付く
可能性は薄いから問題はない……か。
問題は我だ、かなり強い毒の様だ。
まだ、体が少しも動かない。
「騎士達も疲弊している。このままでは壊滅する!
兵士達を逃がすか?嫌、それは不可能だ!
この状況で逃がせば間違いなくカスラ殿が死んでしまう。それに我一人ではどうしようもない。
だが、疲弊もしているが騎士団長の我がこんな醜態を見せてしまった。士気もかなり下がっている。
騎士達はそこまで今のキモール家に思い入れもないだろう。
そんな、この場の全員がどうやって乗り切るかを
考えていた時だった。
否、本当に頭をフル回転させていたのは執事とメイドと馬車の上に居る魔法師………と我だけだった。
そんな時どっからか大声が聞こえた。
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