第4話 いっちょやってみっか

 俺は、この依頼を受けるかどうか、利益とリスクを天秤に掛けていた。ご丁寧に情報端末には、依頼の更新と追加分の報酬及び成功報酬の情報が送られてきた。それは、なかなか良い金額で、ふいにするにはちょっち惜しい額でもある。


「魅力的な提案ではあるが、何か隠していることは無いか?そもそもこの依頼ちょっと不審な点があるんだが?」


『……。分かった、別に隠していた訳ではないが、言っていなかった事について説明しよう、と言っても分かってないことが多いんだがな。』


 そう言って、悪びれる様子もなく説明を始めた。


『実は、君に依頼する前に2度、集結地点へ荷物を送っているんだ、自動制御の車輌でね。そこで不思議な事が起こってね、1度目の車輌は集結地点に到着したが積荷が乗っていない、2度目については車輌が突如ロストしてね、2度ともCP《Command posts》に異常を知らせる事は無かったよ。』


「……。何で最初から依頼に情報を載せなかったんだ?」


『不確定要素が多すぎたんだ、1度目と2度目で起きた事象が違うため、どう判断すれば良いか司令部でも揉めてね、しかしながら、集結地点に荷物は届け無ければいけない状況だ、と云う事で傭兵に依頼させて貰った。もしかしたら、人が介在したら違う事象が発生するかもとの期待ぐらいはしたがねぇ。』


「車輌がロストした場所はGPSで追えなかったのか?」


『勿論、すぐにロスト地点は確認したよ、小型偵察車輌も現地に送ったさ、しかしながら、何も発見出来なかった。』


「で、その車輌がロストした地点と現在地は近いのか?」


『極めて近いと言えるね。直線距離で10mと言ったところかな。』


 そう言われると、手動で範囲レーダーを10mに絞り、後方を警戒していたドローンの高度を上げ10mの視界を維持できる様に操作した。


「そう云う情報は早めに教えてくれると助かるんだけどな。」


『次からは気を付けるよ。で、こちらからの情報はこのぐらいなのだが、依頼を受けてくれるかな?』


「……。追加料と成功報酬の半額を前金で貰えるなら依頼を受けよう。」


『依頼を受けてくれて助かるよ。報酬については既に振り込ませて貰ったから確認してくれ。健闘を祈るよ。』


「…お祈り感謝するよ。」


 そう言って少し後悔の念とともに通信を切った。


「いっちょやってみっか。」


 自分を鼓舞するために、空元気の言葉を口にせずにはいられなかった。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 第4話はここまでです。「なかなか異世界行かねぇな」と思いでしょうが、もうしばらくお付き合い下さい。異世界に行ったタイミングで主人公のスペックと装備等についての説明も入れたいと思いますので、宜しくお願い致します。


 誤字・脱字、ご意見・ご感想等戴けると幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。






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